サラリーマンとして、社畜として、歯車として。どこかの誰かが創業し、どこかの誰かが運営する会社で働くのだとしたら、誰しも成長企業ないし成長する可能性の高い企業で働きたいと願うものです。そして、企業を成長させることのできる経営者の下で働きたいとも、同時に思うものであります。
そこで、これまで様々なベンチャー企業を転々とし、様々なタイプの経営者の下で働き、アライアンス先として様々な経営者と交渉し、メンターとして様々な経営者をサポートしてきた経験をもとに、没落企業ないし没落する可能性の高い企業の経営者にみられる共通点をまとめてみました。
サラリーマンは転職活動の参考に、スタートアップの経営者は自戒のためのチェック項目としてご活用くださいませ。
- ①グランドデザインを描かない、描けない
- ②成功体験に縛られる
- ③市場の感覚とのズレに気付かない
- ④自責の観念はゼロ。基本的にすべて他責
- ⑤権限移譲をせず、強烈なトップダウン
- ⑥「社員のために」はクチだけ
- ⑦法令遵守する気はない
- ⑧そもそも、もうやる気がない
⑦法令遵守する気はない
そもそも法律というのは、過去の賢人たちが複数の利害を調整した結果産み出されたものです。それが「公共の福祉」として明示化されたのが法律です。
無知の知という言葉はありますが、こと法律に限っていえば、無知は罪です。知らなかったでは済まされないのです。
しかし、没落企業の経営者は、なぜか自身の価値観を最優先に考え、法律すら守ろうとしません。逆に自身の価値観のが優っていると思えば、意図的に法律を破ることさえあります。
・労働基準法を守る気はありません。「社員のために」と言いながら、パワハラは当たり前。残業して長時間働くことが会社への貢献度合いが高いと言い切り、労働基準法なんて社員のためにならないと言い切ります。
・企業と顧客では情報の非対称性があるため、公平な取引を成立させるためにある景表法・薬事法は、最終的に顧客が利益を享受してさえいれば誰も不幸せにならないのだ、という自己中心的なロジックにより無視します。
・自身の利益を最大化するためには税法も無視します。計上ルールなどなんのその、税理士の「無理です」も気にせず、「いいからやれ」。
倫理や法律を守れない経営者についていくのは本当に危険です。
このタイプの経営者に「何かあったら俺が責任を取る」といって、本当に責任を取る人はいません。部下にその責任をとらせます。それが、ただ会社を辞めるだけならよいですが、法廷闘争に発展したり、刑事事件に至ったりも…。
当然、そんな人には、その悪事に一緒に手を染めるイエスマンしかついていきません。もしくは他に行くところがない無能です。そして、客観的な意見が入らない組織となり、悪事が加速していき、崩壊へと向かうのです。