- モノに溢れた現代において共同幻想は成立しない
- 自己実現・自己表現消費の時代、「映え」とは自分の「価値観映え」のこと
- 「ウチらが最強」を表現するために消費する時代
VUCAの時代。VUCAとは、Volatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)の略。一言でいえば「変化の激しい時代」。
テクノロジーの進歩によって、社会環境も生活環境も大幅に変化しました。数年でガラッと変わるほどの変化が立て続けに起こっています。当然のことながら、生活者の消費行動も大きく変化しました。
大量生産・大量消費の昭和から、令和は自己実現・自己表現消費の時代へと変わって来ています。
昭和はモノがないから、三種の神器という言葉に象徴されるようにたった1つのライフスタイルが共同幻想になりました。そして、みんながこぞってそれを目指して勤労に励んだのです。
だから大量生産した製品を、右向け右とテレビCMを中心としたますプロモーションを投下し、マスメディアがムーブメントを作り、大量消費に繋が理ました。
一方、モノに溢れた現代において共同幻想は成立し得ません。みんながみんな同じモノに憧れることが成立しないのです。
自らの価値観を大切にし、その価値観とそれに基づく人生のストーリーを彩ることができるかどうかだけが消費行動を促します。機能的価値よりも情緒的価値が重要視される時代へと変化しています。
「映え」とは写真映えのことではありません。「映え」とは自分の「価値観映え」のことなのです。
好きなものは好き。嫌いなものは嫌い。
良いものは良い。悪いものは悪い。
自分の価値観に従い、自己表現し、自己実現を目指す。
誰にも流されず、他人の目は気にしない。
変化の激しい時代を素直に受け入れ、前だけをみる。
このトレンドにおける価値観を圧倒的に体現しているのが「ギャル」です。
ギャルとは「主観の極致」。客観性を排除し、地元を、所属するコミュニティをレペゼンし、「ウチらが最強」と言い切る圧倒的な自分と自分のコミュニティへの自信。マイクロコミュニティの中で、しかも分人として複数のマイクロコミュニティに所属するのが当たり前の現代において人々は「ウチらが最強」を表現するために消費する時代なのです。