App Storeのセカイカメラ禁止にみる、プラットフォーマーによる恣意の危険性

Contents

App Store、位置情報系アプリを粛清か

iPhoneのApp Storeでエロ系アプリの大量粛清があったばかりですが、今度は、位置情報系アプリの粛清が始まった。

3月4日に、App Storeからセカイカメラを含む、KoozytのWi-Fi信号による位置推定技術、PlaceEngineを利用したアプリがすべて公開停止となった。

今回、無線LAN電波情報の取得方法に関する App Store の審査により、過去リリースされた上記アプリケーションのダウンロードができなくなりました。

非公開となったアプリケーションについては、一端 PlaceEngine を非搭載としたうえで再審査の手続きを進めるよう、関係者の方々と調整中です。
News Release 20100306 クウジット|Koozyt|PlaceEngine|Wi-Fi|wireless LAN

2010年3月7日現在で、位置情報系でいうと、foursquareは落ちていて、Gowallaは無事。30min.おでかけ食べログぐるなびなども無事。WiFiに問題がとKoozytのアプリが全滅になりながら、駅Lockyは無事。

ルールに一貫性がなくAppleがこれから公式でやるぞという意気込みのようにも感じられるが、単純に問題のあるバージョンを削除しただけとも思える。公式な見解が明確ではないため、邪推せざるを得ないのが現状。

プラットフォーマーによる恣意の危険性

近年、ある種プラットフォーム上で行うビジネスの有用性ばかりが強調され、いま参入しなければ乗り遅れる、参入すれば必ず儲かるような風潮で、情報が流される状況がつづいていた。

しかし、プラットフォーム上で行うビジネスには、常に大きなリスクがつきまとうことがはっきりした。

規約があるとはいえ、基本的にはプラットフォーマーがそのルールを定めていることには違いがないし、それを自由に変更する権利がプラットフォーマーにはある。つまり、自らが気に入らない3rd Partyを排除することは容易なわけだ。

App Storeの登場、mixiやGREE、モバゲーなどのオープン化、ソーシャルアプリの流行から、事業の中核にそれらを添えるベンチャー企業が多く見受けられる昨今だが、そういったリスクを想定の上で事業計画を立てている企業は少ないのではないかという印象を受けている。

今回のように、突然、何の前触れもなく削除することが起きるとすれば、その事業が破綻する可能性も大きいという、看過することの出来ないリスクを抱えたまま、ビジネスを遂行していると言っても過言ではない。

Appleの手のひらで命の灯火さえも転がされ、恣意的にその灯火を吹き消される可能性もある。そのリスクを十分に理解した上で、ビジネスに取り組むという姿勢がかなり重要で、リスクヘッジの方法も十分に検討しなければならない。

ビジネスクリエイター、インキュベーター、アクセラレーター、コンサルタント。エンジニアとして、PHP/HTML/CSSのマークアップ言語によるWebサイトの制作、SEOエンジニアリング、アクセス解析アナリストを経験した後、IT領域の技術/潮流をベースとしたエスタブリッシュ企業向けのコンサルタントを経て、複数のIT企業にて、Web/アプリ系、O2O系、IPライツ系の新規事業立ち上げに注力。事業開発から経営企画業務まで、事業および会社立ち上げに関する業務を幅広く経験。また、シードフェーズのベンチャー複数社の立ち上げへの参画や経営戦略・組織戦略・PR戦略へのアドバイザリー、メンター、複数のアクセラレーションプログラムのメンターも手がける。