起業家と技術者が交流を目指したミートアップ・イベント「Startup Dating」のTech Newsに、オーガナイザーのHiro Maeda氏が「無敵のスタートアップチームの構成」について寄稿したので雑感。
スタートアップを創業する時の創業メンバーは会社の成功か失敗を左右する。最初の頃は少ない人数と資金で最大のアウトプットを出さないといけないからだ。一番重要な時期で多くのスタートアップはこのイニシャルステージを乗り越えることができずに消えていってしまう。
イニシャルステージを乗り越えるために必要なポイントは、よいプロダクトを作ることとユーザーを集めること。このような「無敵のスタートアップチーム」には三つのタイプの人間が必要だ。詳しく説明しよう。
ハッカー
ハッカーとはただ上手にコーディングできる人ではない。素早くプロダクトを開発して、常にプロダクトの改善をしていく開発者のことだ。ハスラー
ハスラーとは人間関係をつねに作るひと。多くの顧客と関係を作り、提携の可能性のあるパートナーを常にみている。ハスラーは常にパッション溢れる情熱的な人で、ビジネスセンスも高く、正確に自分の想いを他の人に伝えられる人。デザイナー
サービスの見た目と使いやすさはものすごく重要。ユーザーがサービスを信頼できるかどうかは、ほとんどデザインでしか伝えることができない。信頼性があり使いやすいデザインは必須。
無敵のスタートアップチームの構成とは? « Startup Dating [スタートアップ・デイティング]
ボクがスタートアップチームを構築するとしたらを妄想し、ぼくの考える「無敵のスタートアップチームの構成」を記してみる。
ビジョナリスト/ストラテジスト: サービスの根幹であるその理想や理念を組み立て、サービスを設計し、それを成長のための戦略、戦術に落としこむひと。内外にその理念を情熱的に繰り返し語り、チームメンバーの意識をひとつにするとともに、外部への認知拡大やアライアンス、さらにはビジネスデューデリを行うひと。
※ そして、この役割はCEOとして最低限必要な能力でもあると、ボクは考える。シードフェーズからビジネスをスケールさせるまで、常にこの役割は企業内に必要な人材である。
ハッカー/デザイナー: ハッカーとは、コーディング技術はもちろんのこと、ビジョナリストの考えるサービス設計を現実に落としこむための具体策の提案ができ、素早くプロダクトを開発することができるひと。そして、ユーザインターフェースへの見識があり、プロトタイプの開発段階からインターフェース設計をしっかりと考えるデザイナーとしての能力も兼ね備えたひと。その両面から、常にプロダクトの改善をしていく。
※ Hiro Maeda氏の記事では、ハッカーとデザイナーを分けていたが、スタートアップのスピード感を考えると、これを別のひとが担当してその折衝を行う時間が勿体無く、その折衝や葛藤を自らのなかで行える両面を持った人材が重要である。
ディレクター: ビジョナリストの考えるサービス設計を具体的な仕様への落し込みを行い、ハッカーと協議/協力しながら、サービスを感性へと導くひと。ハッカー/デザイナーの内なる葛藤を客観的視点から調整を行う。
ただし、当然スタートアップであるため、ビジョナリスト/ストラテジスト、ディレクターは、それぞれ専任であるわけにはいかないだろう。それぞれがコーディングや営業など、それぞれがもつスキルに見合った実務を担当しながら、上記のような役割を中心に担う必要がある。