日本の大企業は組織を基礎集団的共同体化したメンバーシップ型で構築することで、高度経済成長を成し遂げるに至りました。
よく日本の同調圧力をさも悪いことのようにいう風潮が、特に欧米かぶれの意識高い系を中心に風潮しているが、ボクは必ずしも同調圧力が悪いとは限らないと思います。
既存事業のオペレーションにおいて同調圧力が優位に働くことは、昭和後期の日本がそれを証明しているし、現代ではチャイナがまさにそれを実践しています。
当時の日本には、同調圧力もあるだろうが同時に挑戦に対する心理的安全性もあったはずです。つまりは同質性の中にも多様性を担保するというバランスが重要なのだと思うのです。
世界に誇れるイノベーションが次々と生まれて行ったのも昭和後期です。当時には大抵上司や役員に承認を貰わずに大金を使い大事をやってのけたという伝説話がゴロゴロしているし、誰しも一度は耳にしたことがあるでしょう。
昭和最後期から平成初期にかけて、中途半端な目的設定と、中東半端な欧米型実力主義を取り入れた結果、心理的安全性が崩壊し、同調圧力だけが残ってしまったのが現代社会です。これではイノベーションは生まれない。生まれるわけがない。
既存事業において同質性は必要です。しかし変化が激しく、過去からの延長線上であるリニア思考では未来が予測できない時代には、多様な価値観で多様に未来を見つめるスペキュラティブ思考が必要であり、そこに多元多様性が必要となります。
“パーパス”という共通目的を掲げるからこそ、組織において同質性と多様性は共存させるべきなのです。どちらが良いか悪いかという二元論ではなく、どちらの良い部分をも活用する。どこを活用するかは目的を起点に逆算して考える。そういった思考が現代には求められるのです。
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