- 「閃き」は客観視で思い込みを排除する
- トレンドは、抽象化して概念化し、言語化の上で体系化する
- 専門性は事業創造のショートカットにする
- 顧客は自分の必要なものを知らない
- 自分の心と向き合う
新規事業やスタートアップにとって、最初の一歩目がアイデアを思いつくことだとしたら、次の二歩目はそれを事業企画に落とし込むことです。
事業企画とは「アイデアを仮説として立案し、定性的な仮説検証が済んだプラン」のこと。
ビジネスモデルやマーケット、顧客像が何であれ、アイデアを閃くことが出来たのなら、それが最も大きなハードルとなります。
その時に何をすべきか。特に思考法についてまとめます。
Contents
アイデアから離れる
まず思いついたアイデアから離れます。事業企画をまとめるために、一度アイデアから離れるのです。
アイデアは思いついたタイミングからそれは「思い込み」になります。
思い込みが成功のために不要ということではもちろんありませんが、ファーストインプレッションの思い込みは「失敗確率」という意味で足かせになる可能性があります。
そこには端的に言えば「自分だけがそう思った」という可能性があるからです。
自分しかそのアイデアが刺さらないものは、自分にとっては良いサービス/プロダクトかもしれませんが、ビジネスとしては成立しません。
その可能性を排除するために、一度アイデアから離れるのです。
しかし離れるのはアイデアの全体像であって、そのアイデアの要素は深掘りします。アイデアから一度要素を切り離した上で、それぞれに深掘りするのです。
そのときの思考法はいわゆる「虫の目、鳥の目、魚の目」です。それに併せて「心の目」を持ち、深掘りします。
トレンドに深く潜れ(=魚の目)
まずそのアイデアを思いついた「トレンド」そのものを深掘りします。
例えば、最近のムーブメント、消費動向、流行りのアプリや映画、ドラマなど、世の中で流行っているものに「深く潜る」のです。
まず自分で体験してみること。そしてとことんとことん深掘りするのです。
TikTokが流行っているのなら、TikTokをとことん使い倒す。流行りの動画やドラマを一日中みてみる。可能なら、投稿もしてみる。
その上で、その体験を抽象化して概念化し、言語化の上で体系化するのです。
その回数が多ければ多いほど、アイデアを事業企画に昇華させるために、アイデアを客観視するための糧となります。
市場に深く潜れ(=鳥の目)
次にそのアイデアが参入するであろう市場を深掘りします。
○○市場、xTechと名付けられる市場について深く深く潜ります。
どのようなトレンドがそこにあり、どのプレイヤーがどういう形で動き、どういうビジネスがそこで起きていて、どれほどのユーザを抱え、どれほどの市場規模がそこにあるのか。
マーケットトレンドはしっかりと捉えるべきです。
1つ目は専門知識習得のため。そのマーケットの素人の方が柔軟な発想をうみますが、一方業界特有のハードルについて無理解のまま進めると、事業創造のスピードを阻害する要因になります。
2つ目はスケーラビリティのため。伸びているマーケットであれば、その波がまだブルーオーシャンなのか、すでにレッドオーシャンと化しているのかを見極めます。
3つ目はバリュー・プロポジションの理解のため。ブルーオーシャンにしても競合に勝つために、レッドオーシャンならばそこからブルーオーシャンを創り出すために、顧客に提供する圧倒的な価値で競合を分析しながら、狙い目を探ります。
顧客に深く潜れ(=虫の目)
ある程度マーケットを客観的にみて、バリュー・プロポジションを捉えることが出来たなら、次に徹底的に顧客と向き合います。
顧客がそのマーケットで行なっている行動は何か。それをファクトとして真正面から捉える。
その中にあるペインやゲインは何か。そのために現在している行動、特にお金を払ってしている行動は何か。それでもまだ残る課題は何か。
顧客と徹底的に向き合うことで、顧客が本当に求めている価値と、顧客が本当に解決したいジョブを推定し、仮説を立てます。
そして、自分に深く潜れ(=心の目)
ここまで来れば事業企画は出来たも同然。
あとは最後に自分の心と向き合います。本当にそれをやりたいかどうか。
その事業企画に情熱を感じ、執念を持ってやり切る使命を感じるかどうか。そこに成否がかかっているといっても過言ではありません。
成功者と失敗者を分ける大きな要因は、壁(=ハードシングス)にぶち当たった時に、乗り越える方法を探すか、乗り越えられない言い訳を探すかの違いです。
どうやってでも乗り越える方法を探すものは、情熱、執念、覚悟という未来に対する意志を持っているものなのです。