- 自らの仕事をディスラプトするような視点を持つのはなかなか難しい
- 多様性があるからこそ、多様な視点、視野、視座、視角を持つことができる
- それを身につけるためには自分の現在地をはっきり認識することから始める
アフターデジタル。変化の激しい時代。
今、自分がやっている仕事がなくなることは平気で起こりえます。むしろ自分の仕事をデジタルを活用することで積極的に無くし、新たな仕事を創出するぐらいでないと、真に価値を提供しているとはいえない時代になってさえいます。
そのとき、会社という狭い組織の中で、偏った固定の価値観に染められてしまうと、自らの仕事をディスラプトするような視点を持つのはなかなか難しいものです。井の中の蛙は井の中の出来事だけが当たり前であり、その当たり前を否定する観点は、どんなに優秀な人でもそう簡単に持てるものではありません。
イントラパーソナル・ダイバーシティ(個人内多様性)が変化の激しい時代にこそ重要となるのです。多様性があるからこそ、多様な視点、視野、視座、視角を持つことができ、目の前の当たり前を否定し、未来の当たり前を作るための行動を起こすことができます。
スタートアップは、イントラパーソナル・ダイバーシティを鍛えるには最適な環境です。落ちているボールが山ほどあり、積極的に拾って、その中で成功と失敗を繰り返すことで、自然と多様な価値観を身に付けることができます。しかしそれは「但し」付きです。圧倒的な成果を残す力がある人物なら可能ですが、普通の人がスタートアップにいっても、そこは辛い環境でイントラパーソナル・ダイバーシティを鍛える前に潰れるか、縮こまったオペレーター(作業員)におさまります。
また同様に新規事業に挑戦することもまたイントラパーソナル・ダイバーシティを鍛えるには適しています。既存組織、既存文化、既存事業に縛られていては何も生み出せません。未来を創るためには、そこから離れて自ら問いを設定する力が必要不可欠。しかしこれも「但し」付きです。大抵の、いやほぼすべての新規事業に配属された人たちは、”既存”に縛られています。そして気付きもしないうちにその枠から出ることを恐れ、大胆なチャレンジをしません。せっかくの成長の機会を活かすことができないのです。
大企業でジョブローテーションの制度がしっかりしている会社に入るのこともオススメです。配置転換に個人の意思を積極的に尊重してくれる会社であることが前提にはなりますが、そこで10年ローテーションしながら働けば、多様性は確実に身につきます。
イントラパーソナル・ダイバーシティ(個人内多様性)を身に付ける方法は、いうまでもなく数多あります。自身がどこに向かうかで、進むべき道は異なります。今どこに立っているかでも進むべき道は当然異なります。どの道を進んだとしても、価値観に縛られていないか、新しい価値観を手に入れる挑戦をしているか自らを客観視することがもっとも大切です。
本当は目標があったほうがベストです。そのほうが進むべき道ははっきりします。しかし目標なんてなくても成長はできるのです。ただしそのためには自分の現在地だけははっきり認識したほうがいいでしょう。その上でその時々に最良の選択を選べばいいのです。