- ベンチャーの方が裁量を与えられる可能性は高いが、誰でも裁量を与えられるわけではない
- 力があり、成果をあげた実績があり、「任せるに足る人材」にとっては可能性が高い
- まずは最大限の成果を目指して、血と汗と涙を流して尽力すべし
面接官をしていて「ベンチャー企業を志望しています」という候補者によく出会います。その時「なぜ?」と理由を尋ねると、大抵の場合「ベンチャーの方が裁量を持って仕事ができるから」という理由を述べられます。
しかし、それは本当にそうなのでしょうか?
答えからいうとそれは「否」です。
ベンチャーだからといって「裁量がある」と一概には言えるものではありません。もう少し正確にいうならば、「ベンチャーの方が裁量を与えられる可能性は高いが、誰でも裁量を与えられるわけではない」ということです。
確かに裁量が与えられる可能性は、大企業やメガベンチャーなどのエスタブリッシュカンパニーに比べると、高いといえます。ベンチャーの方が、上は詰まってないし、業務領域もわかれてないし、裁量を与えてもらえる可能性は、エスタブリッシュよりも高いのは事実です。
しかしそれは同時に、力があり、成果をあげた実績があり、「任せるに足る人材」にとっては可能性が高い、という条件が付きます。
そしてそれは、もちろん過去の実績も大いに考慮の対象になりますが、それ以上に重要な点が3つあります。
①カルチャーにフィットすること
②社内のメンバーと信頼関係を築くことができること
③その企業のやり方を理解した上で、アクションが取れること
それを証明するのが、入社した直後に上司の指示によって与えられた業務に対して、最大限の努力をし、最大限の成果をあげることです。
逆に言えば、入社直後の過去の実績を書類のみで判断した人材を「任せるに足る人材」と判断するには、よほどの成果をあげた人材でなければありえないということです。
それを理解もせずに「ベンチャーの方が裁量を持って仕事ができるから」という理由を面接で述べた人は、入社後、実績を上げる前から裁量を求め、実績が出せないことを裁量がないからと他責にし、結局辞めていくというケースも多く目にします。そもそもそんな考えを持つ人に裁量など与えられるわけがないのに。。。
ベンチャーの方が裁量を持って働ける可能性は高いし、実際に裁量を持って働いている人は多くいますが、そこに至る経緯はエスタブリッシュカンパニーと大差はありません。
それを理解した上でベンチャーで裁量を与えられるために、まずは最大限の成果を目指して、血と汗と涙を流して尽力すべし、です。