- フィードバックはメンティーの成長のためのもの
- メンターができているかどうかメンティーの成長には無関係
- 「フィードバックは自分のことを棚にあげる」というルールを共通認識化する
昭和時代の管理型、トップダウン型のマネジメントが否定され、「個」をエンパワーするほどチームとしての成果がレバレッジされることへの理解が浸透し、それと同時に部下とのコミュニケーションの重要性が高まっています。
どの企業においても、習字や少なくとも月次など、定期的に1on1を義務付けるようになってきています。
1on1において重要なことは、メンティー自身が自分で目標を設定し、自分で行動計画を立て、自分で行動し、自分で気づくという、自律主導型であることです。
そこで上司や先輩がメンターという役割において行う重要なアクションの一つがフィードバックです。
誰かにフィードバックをするときに意識すべき重要なことは「自分のことを棚にあげる」ことです。
人間は完璧な人などいません。人は死ぬまで未熟であり続けるし、人は死ぬその時まで成長し続ける生き物です。
つまり、部下や後輩に対してフィードバックしようとしたことが、メンター自身が完璧にできているという保証はないのです。いやむしろ完璧にできていることの方が少ないでしょう。
もしそれを完璧にできているから部下や後輩に教えるのだと思っている人がいたら、それは大間違いです。「完璧にできている」というのは十中八九そう勘違いしているだけだからです。
完璧にできていないから、フィードバックをしないでおくべきか、という話ではもちろんありません。「フィードバックは自分のことを棚にあげる」というルールを、1on1をやる前提として全社的に合意を取るべきなのです。
メンティーとしてフィードバックを受け取るのは自分の成長のためであって、メンターがそれをできていようがいなかろうが関係ないからです。「できてないくせにお前が言うな」という感情を持つことそのものが間違いなのです。
逆もまた然りで、メンターが自分ができていないからといって、メンティーに対してフィードバックを行うことを躊躇っていては、それはメンティーのためになりません。本当にメンティーのことを思うのであれば、自分の出来など関係なくフィードバックを行うべきなのです。
しかし、この感情は分かっていてもなかなかコントロールするのは難しい。だからこそ、「フィードバックは自分のことを棚にあげる」というルールを制定し、その共通認識を築くことが大切なのです。
Bazaar bottles business – Credit to https://homegets.com/ | Flickr