「パッション」でチームの指針を統一し、外形化してアクションする 〜若者だけでなく起業家にも響くソーシャルビジネスリーダーの言葉 (2)

先日、Industry Co-Creation主催で開催された「ICC/AIESEC ソーシャル・イノベーション・カンファレンス」に参加しました。

AIESECと共同開催ということもあり、参加者のほとんどが学生で、登壇者も基本的には学生に向けたメッセージとして、様々なお話をされておりました。

しかしながら、そのひとつひとつは決して、若者だけでなく、何歳になっても意識しておくべき言葉だと感じました。そして、特に起業家にとっては参考になるものばかりでしたので、その目線でいくつかの稿にまとめてみたいと思います。

2つ目は、イノベーションを起こすチームビルディングとチームマネージメントにおいて大切なことについて。

Contents

パッションの実現は、仲間の存在が重要

どんな事業であっても、壁や困難にぶち当たる日は来ます。そう遠くない未来に。何度も。

その時、やはり「仲間」の存在が重要になることは、起業家は誰しも感じるようです。

同じ夢を見てくれる仲間がいて、その仲間と共に困難にぶつかっていく。心の支えであり、くじけそうになる時の防波堤でもある。

そういう仲間を作るために、自分自身にとことん向き合って、パッションを具現化し、真正直に本気でそこに取り組むことが大切なわけですね。

▽スマートニュース 堅田航平氏

“仲間を探す”
“同じ夢を一緒に見てくれる仲間がいるかどうか”
“乗り越えていくために重要になる”

Session 3 ソーシャル・インパクトを実現するビジネスの作り方 ::ICC/AIESEC ソーシャル・イノベーション・カンファレンス #ICC_AIESEC2016 | LivePad (β)

▽クラウドワークス 吉田浩一郎氏

“(人を巻き込むためには、本気でとことんやりきることが大切で)本気じゃないやつにはついていかない”

Session 3 ソーシャル・インパクトを実現するビジネスの作り方 ::ICC/AIESEC ソーシャル・イノベーション・カンファレンス #ICC_AIESEC2016 | LivePad (β)

▽ライフイズテック 水野雄介氏

“志を持ち続ける。(困難は)仲間と乗り越える。”
“困難はどうせ起きる”
“一人でも無理でもチームならできる。諦めない”
Session 5 教育を変え、社会を変える ::ICC/AIESEC ソーシャル・イノベーション・カンファレンス #ICC_AIESEC2016 | LivePad (β)

▽リディラバ/Ridilover 安部敏樹氏

“最高のアンカーは仲間”
“理念は創業者のエゴ。組織ができるとそうじゃなくなる。それをやりたいというスタッフがいる”
“それなのに、自分が投げ出すことはできない”
“浸透するともっとやりたくなる”

Session 4 小さな一歩が社会を変える ::ICC/AIESEC ソーシャル・イノベーション・カンファレンス #ICC_AIESEC2016 | LivePad (β)

チームのパッションは共感で統一する

チームというのは、それぞれ異なるモチベーションの集まりであったとしても、その船の向かう指針としてのパッションは同一であるべきです。

そして、それは共感で統一することで、仲間としてつながることができる。

さらに、外形的にそれを明確化することで、漠然としたものではなく、明確な統一感となり、「指針」たらしめることができるのですね。

▽リクルートマーケティングパートナーズ 山口文洋氏

“ロマンとそろばん”

“リクルートは、社会の課題に応えるという「ロマン」と超儲かっている「そろばん」がベン図のように重なっている事業をやる”

“ロマンの共感性を得ながら裏で実は儲かっている”

“ロマンがないと、従業員も社会の評価を得られない”
“メンバーがなんのためにやっているのかを重要視する”

Session 3 ソーシャル・インパクトを実現するビジネスの作り方 ::ICC/AIESEC ソーシャル・イノベーション・カンファレンス #ICC_AIESEC2016 | LivePad (β)

▽ユーグレナ 永田暁彦氏

“目的を全員で果たすことを主目的におくことで、それぞれの立場が明確になり、自分の自我よりもそれに集中することができる”

“(ビジョン、行動指針などのように)外形的にそれをやると決めてしまうと、たどり着きやすくなる”
Session 1 ソーシャル・イノベーション実現に向けて ::ICC/AIESEC ソーシャル・イノベーション・カンファレンス #ICC_AIESEC2016 | LivePad (β)

▽リクルートマーケティングパートナーズ 山口文洋氏

“常に絵に描いた餅のようにうまくいかない”
“自分とコアなチームのメンバーが、一歩一歩進んでいるという自己肯定感を持てるような兆しに目を向ける”

Session 3 ソーシャル・インパクトを実現するビジネスの作り方 ::ICC/AIESEC ソーシャル・イノベーション・カンファレンス #ICC_AIESEC2016 | LivePad (β)

スタッフ一人ひとりのモチベーションは人それぞれで良い

指針として目指すパッション(WHY)は同一であったとしても、そこに向かう方法論(HOW)へのモチベーションは人それぞれなので、誰かと誰かを比較するのではなく、個々に考えるべきです。

人はそれぞれ異なる人生を歩んできているのですから、考え方も様々です。それを同じ方向に向かせることなど、そもそも不可能なわけです。

だから、マネージメントとしても全員がバラバラであることを前提とすべきですし、スタッフ個々も人とは違うんだということを前提として比較をして上がったり下がったりするべきではない、ということですね。

▽ユーグレナ 永田暁彦氏

“何かにモチベートされる由来は人それぞれ”
“一番大事なのは、人と比較しないこと。自分の人生を選択した結果をいかに目指すか、が大切”

“人と比較するのはまったく意味が無い。全部外せた人が新しい価値を生み出せる。チャレンジはJカーブ。必ず沈む。そのとき人と比較すると到達できない”
Session 1 ソーシャル・イノベーション実現に向けて ::ICC/AIESEC ソーシャル・イノベーション・カンファレンス #ICC_AIESEC2016 | LivePad (β)

▽Teach For Japan 松田悠介氏

“ベクトルは同じ方向に向かせなくて良い”
“ベクトルを同じ方向に向かわせるのは旧来型”
“一人ひとりがエネルギーがわきでることが違う。各々のベクトルをみつけて、楽しいと思ってもらうのが大切”
Session 5 教育を変え、社会を変える ::ICC/AIESEC ソーシャル・イノベーション・カンファレンス #ICC_AIESEC2016 | LivePad (β)

▽Teach For Japan 松田悠介氏

“人を変えるというおこがましい発想はやめたほうがいい”
“教育は、変えるのではない、その人が本当に持っている良さを見つける”
“変えるはエゴ。ハマらない人が息苦しくなってしまう”

“どういう言葉をかけると喜んで、いままで何をして、なぜここにいるのか、を知る”
“信頼関係を結ぶことが大切”
Session 5 教育を変え、社会を変える ::ICC/AIESEC ソーシャル・イノベーション・カンファレンス #ICC_AIESEC2016 | LivePad (β)

事業家に必要な4つの要素

「好奇心」「洞察力」「共鳴力」「胆力」。これはすごく共感しました。

リーダーに必要な、ということで提示されていましたが、これは事業家全てに必要な4つの要素だと思います。

▽リクルートマーケティングパートナーズ 山口文洋氏

“グローバル・リーダーに必要なものは4つの要素
「好奇心」なんでも楽しみを見出しちゃう
「洞察力」どんどん深掘って構造化する
「共鳴力」巻き込むチカラ
「胆力」うまくいかなくてもやりきろう”

Session 3 ソーシャル・インパクトを実現するビジネスの作り方 ::ICC/AIESEC ソーシャル・イノベーション・カンファレンス #ICC_AIESEC2016 | LivePad (β)

ビジネスクリエイター、インキュベーター、アクセラレーター、コンサルタント。エンジニアとして、PHP/HTML/CSSのマークアップ言語によるWebサイトの制作、SEOエンジニアリング、アクセス解析アナリストを経験した後、IT領域の技術/潮流をベースとしたエスタブリッシュ企業向けのコンサルタントを経て、複数のIT企業にて、Web/アプリ系、O2O系、IPライツ系の新規事業立ち上げに注力。事業開発から経営企画業務まで、事業および会社立ち上げに関する業務を幅広く経験。また、シードフェーズのベンチャー複数社の立ち上げへの参画や経営戦略・組織戦略・PR戦略へのアドバイザリー、メンター、複数のアクセラレーションプログラムのメンターも手がける。