「熱いパッションを持つことがなによりも大切」という記事にも書きましたが、事業創造やイノベーションには熱いパッションを軸に事業戦略やプロダクト戦略を組み立てることをオススメしています。
特にシードフェーズのスタートアップがまず最初にやるべきことは、パッションを明確にし、言語化することが大切です。それによって、シードフェーズの大半の活動はスムーズに進めることができるようになります。
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熱いパッションこそが人を惹きつけるパワーになる
ファウンダーチームの組成や初期メンバーの採用、はたまた、エンジェル投資家やシードフェーズのVCからの調達まで、パッションを軸に語り、共感を得て、チームが組成させることができると、そのチームのゴールはパッションを実現させることになります。
それがどんなに突拍子もないコトでも、実現がどんなに困難なコトでも、みなそのパッションに共感を持っているのですから、いかにそれを実現するかを常に考えます。なんらかの壁にぶち当たったとしても、それをいかに乗り越えるかを考えます。
逆に、プロダクトありきでチームを組成した場合、あくまでプロダクトを作ることがゴールとなります。その際、メンバーとの関係性は、まるで受発注の業者との関係性のようになってしまう可能性があります。
メンバーは、最終的に何をどうするのか、という指針がないがために、どのカタチがプロダクトのベストなカタチなのかを想像することができません。となると、自らが思う最高品質(ユーザにとっては過剰)を追い求めるか、考えることをやめ、言われたものを作るか、のどちらかになってしまいます。
また、投資家は、ピボットをすることが前提のため、プロダクトの話に終始しても、よほど成長フェーズに入っているスタートアップではない限り、投資はしてくれないでしょう。
パッションとは、「世界をどう変えたいか」です。それがどんなにまわりからみてクレイジーと思われるようなことであっても、それを熱く語り、周りを巻き込むことこそが、シードフェーズではもっとも大切なことなのです。
熱いパッションからブレークダウンすると、何をやるべきかが明確にしやすい
熱いパッションとは、指針です。どこに向かうべきかというゴール設定です。
その熱いパッションを実現するために、どうやるべきかの手段を考え、なにをやるべきかの手法を考える。熱いパッションからブレークダウンしたほうが、今やるべきことを明確にしたり、定義したりしやすいのです。
逆に、プロダクトの話ばかりしていると、そのプロダクトの特定の機能や技術がいいかどうかの話しかできません。それによって、なにが実現されるのか、UX的にそれは本当に必要なのか、など、大局的にビジネスやプロダクトをみることができないのです。(みるための基準がないのです)
プロダクトドリブンではピボットがしにくい
プロダクトドリブンで物事を考える起業家は、自分のアイデアに自信を持ちすぎる傾向があります。そして、そのプロダクトを作ることをゴールにおきがちです。
しかしながら、本質的にはそのプロダクトを作って世に出すことがゴールなわけではなくて、その先にあるパッションを体現することこそが、本来やりたいことのはずです。
ピボットとは、単に作るプロダクトを変えることではありません。熱いパッションを軸に、そのパッションを実現するための方法を探ることなのです。
そのため、プロダクトドリブンではなく、パッションドリブンであるほうが、その軸が明確なために、ピボットがしやすいのです。