ロングテール理論は地球上の経済活動においても見られます。しかし、ヘッドとテールの差はより顕著に表れています。
世界の20%の人々が世界の富の75%を分け合い、別の20%の人々は世界の富の2%を分け合っているというデータがあります。
この貧富の差はより広がりを見せるだろうとも言われています。
この状況を打開できると言われているのがGoogleのAdSenseです。
AdSenseで得られる収入は全世界どこにいても一律で、米ドルで得ることができます。
地域も国も人種も性別も門戸も信条も関係なく平等なのです。
その国の通貨価値に因らず、収入が得られるというビジネスはいままで存在しませんでした。
これにより、通貨価値が低い地域にいても、通貨価値の高い収益を得ることが可能となったのです。
つまり、富の再分配を図る方法に、とてつもなく大きな変革をもたらしたのです。
しかし、大きな欠点があります。
貧しい人々にはコンピュータはおろか電気すらまともにないのです。
それ以前に文字を読んだり、計算をするための学習に費やす時間などなく、子供でさえ過酷な労働を強いられている。
そんな状況下では、Googleがもたらした画期的な変革も全く無意味といえます。
まず必要なのがインフラの整備であり、子供が過酷な労働を強いられることのない法整備であり、人間の尊厳を保った生活ができる最低限の収入なのです。
私はITこそが世界の貧困を無くす最良の道具だと思っています。
世界中のどこにいてもノートパソコン1台あればいくらでもビジネスができる。(もちろん電源やネット環境が必要ですが)
そうすれば、世界的な通貨取引などほとんど意味をなさなくなり、本当の意味で世界が平等になるのではないかと思います。
もちろん、様々な障壁もありますし、それ以上に複雑怪奇な世界経済ですから、簡単にはいかないでしょう。
ですが、ITが最良の道具であることは間違いないのではないでしょうか。
しかし、まず必要なのは「人の心」です。
デジタルよりもまずアナログが大切です。
バングラディッシュは「善意の墓場」と言われています。
世界で最も多額の援助を受けているにも関わらず、毎年10億ドルが消えていきます。
もちろん汚職により一部の権力者が懐を肥やしているでしょうし、マネーロンダリングされた還流資金として先進国の権力者もまた懐を肥やしています。
そうした事実から目を背け、ただ募金して満足する貧しい心の持ち主が世界中にいるから貧困はなくならないのです。
ITにできることは山ほどあると思います。
何度も言うように、ITこそが貧困をなくす最良の道具だと思う。
生活を便利にするだけのITで終わらせて良いわけがない。楽しむだけのITで終わらせて良いわけがない。
ITを待ち望んでいるITのよさを知らない人々が世界中にいるはずなのです。
しかし、本当に必要なものは、世界の貧困に目を向け、ただの”カネ”ではない、本当の意味での善意たる「人の心」ではないでしょうか。