昭和の旧来型の組織は「オーケストラ」のよう。
指揮者の指示通りに楽器を演奏し、構成員は楽器ごとに分かれたセクションの中でのバランスのみに集中します。全体の調和をとるのは指揮者の仕事です。
スタートアップの組織はジャズの「ジャムセッション」のよう。
全体の調和をとる指揮者はいません。構成員自らが全体を俯瞰して捉えながら、スペシャリストとして目の前の音楽に注力していきます。
指揮者の感性が時代の波にあっている間は、オーケストラ型でも成長を遂げることができます。しかし、指揮者の指示だけに寄っていては時代の変化を捉えきれません。変化の激しい時代においてはそれでは取り残され、時代の畝りに飲み込まれてしまいます。
次世代のイノベーションのために、大企業の組織に必要なのは「オーケストラ」でありながら「ジャムセッション」との両立をとることです。
指揮者の仕事は、いついかなるときも「コンパス」として機能する、強固で明確なゴールを提示することです。
そして構成員が、構成員の構成単位であるセクションが、ゴールに向かう方法を自分なりに選ぶ自由を与えられ、エンパワーされている環境を作ることです。
そして、それぞれのセクションのエキスパートたちが構成員として、時代の変化を察知するハイパーアウェアネス(高度な察知力)を手に、ジャムセッションするために聴き手としての力を発揮し、全構成員が全セクションが一体となって演奏に貢献し、調和のとれた音楽を奏でることを目指すのです。
「オーケストラ」でありながら「ジャムセッション」との両立こそが変化の激しい時代に、その変化の波をのりこなし、その変化に先んじて変化を創出するために、大企業の次世代型組織に必要なことです。