明治維新、太平洋戦争、バブル崩壊、ドットコムバブル崩壊、リーマンショック、9.11同時多発テロ…。
近代人類は規模の大小あれど、今の当たり前が当たり前として通用しなくなる「グレートリセット」を数多く経験してきました。
グレートリセットの後のスクラップ&ビルドで日本を支えたのは常にカリスマ経営者たちです。環境変化に英断を下して、未来の当たり前を構築してきました。
イノベーションのシードステージからアーリーステージは、スタートアップが強みを発揮します。
トップダウンの方が組織が強いのです。意思決定のスピードが圧倒的に早く、それが、事業成長のスピードに直結します。
環境変化をいち早く察知し、変化に対する決断を行い、マイクロマネジメントにより強権を発揮し前へ進み続けることが、非連続的な成長を促します。
コロナ禍という、まさに過去類をみないほどのグレートリセットに直面している今こそ、ビジネス・トランスフォーメーションに対して、経営者が英断を下す必要があります。
特に令和においては、アフターデジタルというもう一つのグレートリセットが同時に進行しています。ポスト・コロナには誰も見たことない「ニューノーマル」に辿り着いている可能性が非常に高いといえます。
今こそ成熟事業をもつ大企業や中堅企業は、経営者がリープフロッグなイノベーションに対して、リーダーシップを発揮すべき時です。
一方で人への依存は、変化に対して弱いという側面も持ちます。
トップの器以上に事業も会社も成長しません。カリスマへの依存は、いつかカリスマの成長が止まり、時代の流れに感覚がフィットしなくなった時、そのカリスマ性に陰りが刺し、成長が止まることを意味します。
カリスマがカリスマで永遠にいつづけられるわけではもちろんないのですから。
だからこそ多様性が必要になるのです。多様な価値観を持つ多元な人々が、変化を様々な方向性に予測し、それらがあり得る未来としてスペキュラティブに探索をすることが、変化に対応する強い組織を作ります。
カリスマによる「人治経営」的英断を下しながら、変化への対応を促すような人づくり、場づくりによる「法治経営」を実現する。
新たなイノベーションへの挑戦には両輪化が必要不可欠なのです。