人類が地球上で最も繁栄した理由。それは「分業」にあります。
人が一人で何かを成し遂げようとすれば、1日24時間1,440分という限られた時間の中で精一杯の努力をする他ありません。しかし、その成し遂げようとするものを「分業」すれば、人は使える時間が1日24時間1,440分に限られなくなります。
家を1軒建てることを想像すればわかるでしょう。一人で建てようとすれば、途方もない時間がかかる。一方分業して建てれば、一人で建てるよりも圧倒的に早い時間で建てることができる。
また、分業は「専門化」も促進します。自分の任された領域の質を高めたり、効率化しようと努力をする。その結果、今建てられる家をもう一人で建てることはできないほど、技術は進歩しているのです。例えば、美しいガラスは、もはや一人で作ることは不可能なレベルに達しています。
この技術革新は、当然のことながら、世代が経れば経るほど、旧世代よりも新世代の方が優秀になっていきます。それができているからこそ、人類が地球上で最も繁栄したのですから。
それに加えIT/ICT革命は、時代の変化を一気に加速させました。もはや旧世代と新世代は隔絶した、全く違う生物の種になっているといっても過言ではありません。
アフターデジタルのZ世代は、Y世代/ミレニアル世代からみても価値観や理解不能なほどに変化しています。逆もまた然り。Z世代は、それよりも上の世代を理解することはできません。
ここから先の未来へのイノベーションは、もはやY世代/ミレニアル世代以上の世代に実現することは不可能です。10年後20年後の世界は、Z世代が中心になります。彼らの「未来の当たり前」を、彼らの「今の当たり前」さえ理解できない旧世代が作れるなど、烏滸がましい考えです。
もはやZ世代の「未来の当たり前」はZ世代にしか創れないと割り切り、任せ、後押しする環境を作るマネジメントが、今求められているのです。
「若者に優秀な起業家はいるが、優秀な経営者はいない」と言います。
Z世代の未来を作るイノベーションの0→0.1の妄想や、0.1を1にする行動はZ世代に任せ、それを1→10とビジネスを確立させ、10→100と大きく育てるグランドデザインやオペレーションの構築に、旧世代は尽力すれば良いのです。
ここでも意識すべきは「分業」です。各世代それぞれがそれぞれにおいて担うべき役割を明確にし、組織の、ひいては人類の繁栄にそれぞれの役割から貢献していく体制を構築すべきなのです。