- 未来に対するビジョンを実現するためにするのが、本来の仕事
- ニューノーマルの本質を捉え、まずビジネスをトランスフォーメーションする
- ロジックでは辿りつかないリープフロッグした未来を想像する
「仕事」とは「事を為す」が語源です。「事」つまり未来に対するビジョンを実現するためにするのが、本来の仕事です。単にタスクをこなすだけでは、仕事とは言えません。
既存事業というのは、先人たちが試行錯誤の結果、ビジネスモデルを構築し、事業が成り立ちました。そしてそれを維持するために高度にオペレーションが組み上がったのです。
先人が設定した問いに、先人がたどり着いた方程式を、解くことが既存事業の仕事になります。ある意味マニュアル通りに、ルーチン的にこなすことが求められ、そこにモチベーションはおろか個性は必要ありません。ただただミスなくこなす歯車が必要になるのです。
未来は不確実なものです。アフターデジタル、アフターコロナがその不確実性を増しました。未来に対する取り組みは、方程式がないだけでなく、問いすら存在しません。
自ら問いを設定することからはじめ、何が正しいかもわからない中でまず解いてみるというアクションを起こすことが重要です。解いて解いて解き続けた結果としてそれを体系化し、方程式を作り、オペレーションを構築する。それが新領域や新規事業における仕事となるのです。
オペレーションをこなすことが仕事。それしかない会社はレガシーに陥ります。それを続けていては、急激な時代の変化に取り残されてしまうのです。
コロナがあろうとなかろうと、時代の変化は進みニューノーマルにすでに突入していました。コロナがそれを加速させ、ニューノーマルがたまたま目に見える形になっただけに過ぎません。
変化への対応は必然です。現状維持は約束された沈没。沈没を避けるために、ニューノーマルに対応するためにビジネス・トランスフォーメーションを実現し、新たなオペレーションに対応するためにコーポレート・トランスフォーメーションを為さねばならないのです。
デジタルは手段に過ぎません。大切なのは、ニューノーマルの本質を捉え、まずビジネスをトランスフォーメーションすることです。
単にオペレーションをミスなくこなすだけなら、AIやロボットの得意領域です。それはAIやロボットに任せれば良いのです。AIやロボットに仕事を奪われるのはオペレーティブな仕事です。
人の最も得意とする仕事で、人を人たらしめているのは認知革命において手にした「想像力」です。ロジックでは辿りつかないリープフロッグした未来を想像すること。
ボタンのないスマートフォンは、過去のロジックの積み重ねやA/Bテストでは辿り着けません。人間が「着想」する以外に方法はないのです。
未来がどう変化するかというシナリオを描くこと。それが問いを立てるということ。バックキャストして変化に対応する手立てをうち続けること。それが解くということ。そして、それはビジネス・トランスフォーメーションです。
そして、その答えを組織化し、オペレーションを組むこと。それが方程式化であり、コーポレート・トランスフォーメーションです。
未来に対して「問い」を立て、「解き」続け、「方程式」を確立する。ビジネス・トランスフォーメーションとコーポレート・トランスフォーメーションを実現する以外、不確実な未来を生き残る道はありません。