- 大企業に最も必要なのは既存の成熟事業と「食い合う」覚悟
- 保守的になって現状維持できるわけはない
- 自らディスラプトして、自ら新しい価値を創造することだけが生き残る唯一の道
現状維持は約束された沈没です。
自らの経年劣化と外部環境の向上により、現状維持を志向すれば必ず衰退していきます。
現状維持にも、成長にも、イノベーションは欠かせないのです。
自分達だけがテクノロジーの進歩を進めているわけではないのだから。
全く新しいテクノロジーが予期せぬところから起こり、既存事業が完全になくなるなんてことは往々にして起きます。
気にもとめなかったベンチャーが10年で業界構造を完全に置き換える様を、僕らは目にしてきたはずです。
大企業のイノベーションに最も必要なのは、既存の成熟事業と「食い合う」覚悟です。
「カニバリゼーション」が起きるリスクを承知の上で全力を注ぐことが、イノベーションを連続的に起こすための鍵になります。
どうせディスラプトは避けられません。他の誰かにディスラプトされるぐらいなら、マーケットリーダー自ら自分たちでした方が良いでしょう。
しかし、日本の大企業は既存事業に固執しています。あまりに保守的すぎて、ディスラプトすることができません。
リープするような、未来にジャンプアップするような提案を「既存事業を潰す気か」と一笑に付されてしまいまし。
しかし、どんな事業も未来永劫続くことはないのです。どうせいつかは潰れます。
変化の激しいVUCAの時代に、どんな大企業もイノベーションやデジタルトランスフォーメーションを避けることはできないのです。それを避ければ、そこで待っているのは「死」のみです。
イノベーションがスタートアップやIT企業の専売特許のように聞こえるのは仕方がありません。彼らが率先してそれを実現してきたのは事実。
だからといって、自分たちがイノベーションを起こさずに保守的になって現状維持できるわけはないのです。
現状維持は約束された沈没です。黙っていても死は訪れてしまいます。
自らディスラプトして、自ら新しい価値を創造することだけが生き残る唯一の道なのです。
リープするために、未来へジャンプアップするために必要なのは、テクノロジーや機能的価値ではありません。それは必要条件であっても、十分条件ではないのです。
リープするために、未来へジャンプアップするために必要なのは、UXです。
テクノロジーがどんなに進歩しても人間は変わりません。人間が求めるものは、人間の欲求は古来よりそれほど変わっていないのです。
その本質を徹底的に理解し、それを軸にカニバってでも新しいものを提供し続けることが大切なのです。
もちろんITスタートアップと製造業や研究開発業では、ビジネスのプロセスもスピードもまるで違う。B2CとB2Bでも違います。
しかしそれを為すのは人です。そして顧客もまた人である事実は変わりません。
「経営とは人なり。人こそすべて」
ディスラプトのために必要なのは人です。
社員を代替可能な駒としてオペレーションに組み込むのではなく、社員の個性から来る多様性により変化への対応力を引き上げるマネージメントが求められます。
「人を想い、人と共に、人が創る」
それがイノベーションであり、それが未来の扉を開く鍵なのです。