- 今求められるのは伝統産業の産業構造そのものの変革だ
- 未来への想像力、妄想力がより良い未来を創り上げる
- それを為すことができるのは知識と経験から生まれたクリエイティビティだけ
産業革命はいつの時代も、人々に新たなテクノロジーが仕事を奪うかもしれないと恐れさせてきました。
産業革命はいつの時代も、テクノロジーがさらに新しい仕事を生み出し、豊かさを広範囲に引き上げ、分配してきました。
つまり人々の恐れは、半分的外れであり行き着く先では新たな豊かさを手にすることが出来ているのです。しかし半分正解でありそこにたどり着くまでの何十年かの間に、取り残されてしまう人は確かに多数出ています。
令和を迎え、変化の波はどんどん激しくなっています。その波に取り残されないために、飲み込まれないために必要なのが「アート」な思考であり、発想であり、能力です。そしてそれが「クリエイティビティ」なのです。
成長が止まり、閉塞感漂い、未来が見えない日本において、未来を切り開くために求められるのは、伝統的な産業を変える力を持ち得るクリエイティビティです。
100年を超える長命の企業が世界で最も多く存在する日本は、成熟した伝統産業が国家を支えています。その伝統産業が次々と崩壊する現代において、その伝統産業の産業構造そのものを変革し、右肩下がりの未来を明るいものへと変えるデジタルトランスフォーメーションが求められています。
デジタルトランスフォーメーションに必要なのは、ロジックではありません。欠かすことのできない重要なスキルは、クリエイティビティです。
ロジックの源となる社会科学=近似の科学、自然科学=分解の科学は方法論を導き出します。それは再現性のある仕組み化であり、失敗確率は下げられ、その分ショートカットはできるようになります。伝統産業は、その成熟さゆえロジックが細部まで組み上げられたマニュアルやルールによって、大きな事業を動かしています。
しかし、ロジックは失敗確率を下げることはできますが、成功確率を引き上げることはできません。その成功確率を引き上げる方法こそが、アート思考でありクリエイティビティなのです。
クリエイティビティとは自分が探求しようとしている分野について深く知ることから生まれるものであり、その知識と経験を通じて、何が成功しやすく、何が失敗しやすいのかという直観と直感を得ることそのものです。
その直観と直感を通じて、未来への想像力であり妄想力を働かせることだけが、過去からの延長線上ではないジャンプアップしたより良い未来を創り上げることに繋がります。そこでのクリエイティビティは人文科学=体験の科学でしか、身に付けることはできません。よいクリエイティビティは体験からしかうまれないのです。
つまり、想像力、妄想力を育むには、方法論やメソッドではなく、事例をたくさん学ぶことが大事なのです。そして同様に実戦から経験を積むことが大事なのです。その知識と経験からしかクリエイティビティは生まれないのです。