- スタートアップは妄想で資金調達し、未来を変えるプロダクトの開発資金を集める
- メディアはキラキラみせることはしても、正しい批判はしない
- スタートアップへの就職を目論むなら、その前提で全ての情報に触れるべきだ
未上場で株価を引き上げ続けていても、実態のプロダクトの成長が伴っていないスタートアップは日本においてもゴロゴロしています。CEOが売り抜けていち早く泥舟から降りるケースもチラホラと散見され、日本のスタートアップ村の提灯メディアたちはまるでそれが輝かしい実績のように取り上げ、実態を覆い隠しています。
スタートアップは妄想で資金調達をして、未来を変えるプロダクトの開発資金を集め、大きなJカーブを描き稼ぐことを目指します。VCは、プロダクトが実現しないリスクを込みで出資をします。
だから、例え外から見て明らかに泥舟で、その泥舟に人が乗り続けていたとしても、それは乗った人自身の責任であって、外部がとやかくいう必要はありません。
ただ、日本のスタートアップ界の課題はメディアにあります。メディアは情報を得るためにスタートアップ村の中枢に入り、VCや起業家と仲良くします。そしてズブズブの関係になります。だから「応援」と評してキラキラみせることはしても、正しい批判はしないし、出来ない。
結局、永田町の大手メディアと政治家や官僚の関係性と、全く同じ構図がスタートアップ村でも行われているのです。PVや広告費を稼ぐことを第一目的とし、そのためにはメディアは既得権益層のその地位や利益の増強、そして彼らの詐欺的な標榜の片棒を担ぐことも厭いません。そして、VCはその仲間なので、彼らにとってそれは問題ではないのです。
それによって騙されているのは、その未上場企業にまんまと入社してしまうヒラリーマンたちです。紙くず同然のストックオプションを餌に、安い給与で買い叩かれ、ブラックな働き方を強制されます。これが「やりがい搾取」です。
スタートアップはモラルハザードの温床です。よく育っています。大企業以上に目の届きにくい環境は、スタートアップの起業家に悪の心を芽生えさせます。それを自覚しているかどうかは別として。
日本のスタートアップ環境をよりよくし、グローバルに成長するスタートアップを産むためにも「外部からの正しい批判」がなされる環境を本来作るべきなのですが、その自浄作用はなかなか望むべくも難しいところです。
スタートアップやメディアの誇大広告に騙されることなく、まず自分が正しい目を持って、情報の収集と分析をし、やりがい搾取をされることなく、正しく判断する必要があります。スタートアップへの就職を目論むなら、その前提で全ての情報に触れるようにしましょう。