- 自らの事業を「機能」で定義するな。「UX」で定義せよ
- 抽象的なコンセプトを言語化すると、未来の可能性の幅を広げる
- そうすれば、自らをディスラプトする判断さえも、厭わず出来る
事業を作るとき、一番最初にやるべきはビジョンとコンセプトの定義です。
コンセプトはUXそのものであり、顧客に提供する本質的な価値であり、事業戦略そのものです。
ソリューションやプロダクトの機能から考え始めれば、何ができるかというWHATの議論ばかりになります。それはUXをないがしろにすることに他なりません。
独自のコンセプトを掲げることでマーケットの理解が深まります。顧客の理解も深まります。そうして、インサイトを捉えたプロダクトが設計できるのです。
「言語化」が、自身やチーム、顧客の体験を「体系化」し、それが「再現性」をうみます。
UXとは、プロダクトやサービスを企画した創業者や新規事業担当者の原体験を、追体験させるストーリーです。
その原体験のピュアでコアな感情の揺らぎやそこで起こった事実を、言語化を通じて体系化させることにより、UXとして顧客に追体験が提供できるのです。
自分の感覚や価値観を研ぎ澄まし、抽象的で大きな概念としてのコンセプトを言語化すると、未来の可能性の幅を広げることに繋がります。
解釈の幅をもたせるのです。それは言語化により体系化したからといって、受け手である顧客は全く同じ人生を歩んでいるわけではないのですから、受け取り方も様々です。
根源的な価値さえズレなければ、その解釈は顧客によって様々で良いのです。顧客の多様性をも受け止める。
コンセプトには壮大な愛が含まれています。
またコンセプトは事業戦略でもあります。
事業を機能で定義すれば機能が足枷になり、未来の可能性を自ら狭めることになります。
大企業でよくある「カニバるから」という理由で事業を止めるのは、まさに事業を機能で定義しているがゆえなのです。
コンセプトは必ずUXで定義します。顧客に提供するコアの価値がなんなのか。それさえ言語化していれば、例え「カニバる」ことになってもやろうという判断ができるはずです。
新しいテクノロジーを活用してよりカスタマーサクセスに繋がる高い体験が影響できるのであれば、自らをディスラプトする判断さえも、厭わず出来るはずです。
新しい未来に向けて、より良い未来に向けて歩みを進めるために。
足枷を作らず、最大限に未来への可能性を広げるために。
コンセプトの御旗を掲げよ。
コンセプトを胸に、すべての判断基準として、チームは歩むのだ。