- スタートアップにおける経験は、特殊で何にも代え難い貴重なもの
- 中小企業とスタートアップは、全く異なる
- その違いを理解せねば、ビジネスや人生に足枷を嵌めることになりかねない
スタートアップにおける経験は、特殊で何にも代え難い貴重なものです。
熱狂と混乱。スタートアップにはビジネスのすべてがあり、社会のすべてがあり、人生のすべてがあります。
人生をかける覚悟に、肉体的・精神的なハードシングスに、血と汗が滲み出るような努力。それらとともに、視野と視座が必然的に高まる成長が実感できる毎日がそこにはあります。
大企業で得られるものと、スタートアップで得られるものはもちろん違いますが、それと同じぐらい、中小企業やスモールビジネスで得られるものとも違います。
後者での経験をもって「スタートアップを経験した」と嘯く人がいますが、それは間違いなく謝りです。
スタートアップの定義は、「全く新しいビジネスモデルを開発し、短期間で急激な成長を遂げてイグジット(株式上場や株式売却)を狙う人々の一時的な集合体」です。つまりスタートアップには「急激な成長」がつきものであり、それを経験してこそ「スタートアップ経験」といえます。
急成長するスタートアップ、着実に稼ぐ中小企業やスモールビジネス。規模は確かに同じぐらいですが、そこで得られる経験、価値観、マインドやスキル、成長はまったく違います。完全に別世界なのです。
スタートアップと中小企業・スモールビジネスの違いを、中小企業経験者が軽視することで、スタートアップに転職した際に、スキルアンマッチ、カルチャーアンマッチになってしまうケースは多々みられます。中小企業の働き方やマインドは、どちらかといえば大企業のそれに近しいものであり、スタートアップは全く別物だからです。
採用する側にも言えることで、スタートアップ経験者が欲しいといったときに、その経験について正しく因数分解して考えるべきです。例えば、規模の小さな組織でフルスタックに働いてきたゼネラリスト気質と高いディレクション力を求めているのか、はたまた事業も会社も組織もゼロから作り上げた経験とその中でしか得られない価値観を求めているのか。前者なら、中小企業出身者にもその能力を持つものはいますが、後者は中小企業出身者にはありません。
この勘違いしやすいスタートアップと中小企業の違いを理解した上で、物事に取り組まなければ、その小さいが大きい差分によって、あなたのビジネスや人生に足枷を嵌めることになりかねません。ご注意を。