- VUCAの時代に、プロダクトライフサイクルは短くなっている
- 未来への打ち手の選択肢は、数多く持っていた方がいい
- 会社の器はそこにいる人の多様性で、大きくも小さくもなる
大抵の新たな事業は、創業者のたった一人の未来への「妄想」から始まります。
その妄想を大言壮語して語れば、それが「夢」となり、「ビジョン」となり、その熱意に絆され人が集まってチームとなり、それがスタートアップとなります。
つまり、創業者の「妄想」を「カタチ」にすることがスタートアップの起こりとなるわけですから、スタートアップの経営とはまずトップダウンから始ります。
しかし、PoCが終わり、プロモーション手法がハマり、急成長した時、その次の未来を創るためには、トップダウンではいけません。
事業は、プロダクトは、いずれ「死」を迎えます。どんなに素晴らしいイノベーションであっても、いずれライフサイクルは終焉へと向かうわけです。そして、VUCAの時代においてそのスピードは早まっています。
その前提に立って、急成長期においても、その次の未来への打ち手を考えなければなりません。それが経営です。
未来を視る力など誰も持っていないわけですから、その未来への打ち手は数多く持っていた方がいいに越したことはありません。だからそのために「多様性」が必要なのです。
多様性によって、現在を様々なバックグラウンド、様々な価値観でみて、多様な未来を予測する。そしてその未来に対する打ち手を考える。
最終的な判断こそ、経営者が独断すべきものではありますが、打ち手のオプションは無限に広がっていた方が、いざという時の舵取りが楽になります。
多様性を許容せず、自分の判断が絶対で、異なる考えも価値観も許容しない経営者はいます。「社長の器以上に、会社は成長しない」とは言い得て妙で、個人の先を見通す力など経営にとってはあまりにも脆弱すぎるわけです。
会社の器はそこにいる人の多様性で、大きくも小さくもなる。
事業は世界を見つめる目の多さで、大きくも小さくもなる。
多様性を許容し、多様性な目で現在を、世界を、未来を見つめてこそ、新たなイノベーションで事業を大きくすることができます。そして、その先で世界をよりよくすることができるわけです。