- 手段へのイノベーションはユーザにとって本質的なイノベーションではない
- 自分たちの「不」に徹底的に向き合ってくれることをユーザは求めている
- コンプレックスから始めると顧客に真に寄り添うことができる
イノベーションを起こそうとする時、何を最初の一歩にするか。
そのきっかけは人それぞれでしょう。
起業家であれば、お金を儲けたい。稼ぎたい。モテたい。注目されたい。有名になりたい。誰かの不を解消し幸せにしたい。マーケットに成長可能性がある。
イントラプレナーであれば、既存事業の売り上げを伸ばしたい。新たな事業の柱を作りたい。上司から指示された。
などなど。
もちろん、何から始まろうと成功する人はいますし、何から始まろうと失敗する人はいます。
何から始まるのがフィットするかも人それぞれで、それに優劣をつけるのは難しいものです。
しかしながら、新規事業、起業のプロセスをみていると、一定程度の正攻法はあります。
そのうちの一つが「コンプレックス」。イノベーションの種として、コンプレックスが最も適しているもののうちの一つです。
プロダクトアウト、テクノロジーアウト、マーケットインというのは手段にすぎません。いくら手段にイノベーションを起こしたところで、ユーザにとって本質的なイノベーションではありません。
ユーザにとって本質的なイノベーションは、抱えている「不」に対して、その生活環境、社会環境、経済環境などの外部環境も含め、適切なソリューションが提示されることに他なりません。
出来上がったプロダクトを押し付けられることも、過剰なテクノロジーが使われることも、個ではなくマーケットという数字で見られることも、顧客は求めていません。
自分たちに、自分たちの「不」に徹底的に向き合ってくれることを、ユーザは求めているのです。
そのため、起業家自身の「コンプレックス」=「不」でスタートアップを始めると強いのです。
顧客に真に寄り添うことができます。自分の課題が顧客の課題で、自分の解決策が顧客の解決策で、自分が欲しいものがそのまま顧客の欲しいのものになるからです。
また、使命感(ミッション)が明確だし、目指すべき世界(ビジョン)を実現するまで折れない心を持つことができます。自分のコンプレックスなのですから、いとも容易に。
そして何より、自分の言葉で自分のことを語れば語るほど、ファンが増えるし、仲間が増えます。
特に世の中に啓蒙が必要なサービスほど、啓蒙コストががかるところを、自らの言葉で語ることでそれが実現できるのが本当に強いのです。
起業をしたいけれど、何から始めたらいいのかわからない方は、まずは自分のコンプレックスを通じて世界を見てみることから始めてはいかがでしょうか。
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