「経営に必要な要素」といえば「ヒト・モノ・カネ」です。「経営の三要素」ともいわれます。
近年はこれに、「技術・情報」をつけ加えることもあります。「ワザ・チエ」と言ったりもします。
しかしこれは20世紀までの話。21世紀はまた違った基準で物事を見る必要があると思います。
まず「カネ」が集まりやすくなったことがあげられます。
20世紀は資本調達の手段がデッドファイナンスの、銀行借り入れぐらいしかありませんでした。
担保を用意しなければ、お金を集めることができないために、みな実家を担保に入れるなど、20世紀はかなり高いリスクをとらなければならなかったのです。
現在は、銀行借り入れも無担保低金利で借りられるようになりましたし、資本性ローンやリスクマネーとしてVCからの調達、はたまたクラウドファンディングや、最近話題のICOなど…。
お金を集める手段が多様化し、リスクが低減されていっているのです。つまり、21世紀において「カネ」はもはや経営に重要な要素の位置づけではなくなりました。
「カネ」が集まるということは、「モノ」も手に入りやすいということです。買えばよいのですから。「ワザ」も、「チエ」も同様です。
しかし、「ヒト」はただ「カネ」を積めば集まるわけではありません。
「ヒト」を人材とみれば「カネ」で買えるということはできますが、人財は「カネ」で買えません。「カネ」で動く人もいますが、それは「カネ」のために働く人であって、人財にはなりえません。
人財とは、共感し、自ら動き、価値を創造する人です。
本質的に企業が提供しようとしている価値に対して共感し、自らのミッションを自らで定義し、計画を立て、その実現のためにバリューを発揮し、実行し、結果を残す人です。
人財同士は、1+1が10にも100にもなります。集まればチームでレバレッジをかけて、さらなる高みに到達するのです。
企業は人です。人の集合体が企業です。
経営とは、人財にWHYへの共感を促し、チームで価値を最大化することへのアプローチをし、それを仕組み化することにほかなりません。