「二兎を追う者は一兎をも得ず」
小さい頃から、このことわざに違和感を感じていました。
たくさんのことに目を奪われていては、たった1つのことさえも得られないというのは、よくわかります。だから、1つのことにフォーカスせよ、と。
二羽の兎を同時に捕まえようとする者は、結局は一羽も捕まえられないということからいった西洋のことわざ。
二つの物事を欲ばってどちらも失敗したり、中途半端に終わるものである。
また、一つの物事に集中せずあちらこちらに気を取られることへの戒めの意味を込めて使うことも多い。
二兎を追う者は一兎をも得ず – 故事ことわざ辞典
しかし、たった1つのことだけを追いかけていて、もしそれが見当違いなことだった場合、またゼロからリカバリーしなければならなくなるリスクは考えなくてよいのでしょうか?
2つのことを追いかけて、成果を得られる確率は単純計算50%ですが、世の中の物事の成功確率はそんなに高くない。
スタートアップの成功確率は7%、大成功の確立は0.3%ほどしかない、といいます。
「スタートアップの成功は7%しかなく、DropboxやAirbnbなどのように大化けする確率は0.3%ほどしかない」
「当たり前のことかもしれないが、成功する7%に入りたければ、寝る、食う、運動する以外はプログラミングの時間なんじゃないのかい?」
ポール・グレアム(Y Combinator創業者)
つまり、そういう意味においては、「二兎を追う者は一兎をも得ず」とは、「二兎だけ追いかけるのでは全然足りないわけで、十兎追いかけて初めて、一兎を得られるかどうか。だから十兎」以上追えということを示唆しているのではないか、と思うのです。