イノベーションには「志」「情熱」「力」が必要 〜若者だけでなく起業家にも響くソーシャルビジネスリーダーの言葉 (1)

先日、Industry Co-Creation主催で開催された「ICC/AIESEC ソーシャル・イノベーション・カンファレンス」に参加しました。

AIESECと共同開催ということもあり、参加者のほとんどが学生で、登壇者も基本的には学生に向けたメッセージとして、様々なお話をされておりました。

しかしながら、そのひとつひとつは決して、若者だけでなく、何歳になっても意識しておくべき言葉だと感じました。そして、特に起業家にとっては参考になるものばかりでしたので、その目線でいくつかの稿にまとめてみたいと思います。

1つ目は、イノベーションを起こすために大切なことについて。

Contents

パッションを探して、見つけて、フォーカスする

イノベーションを起こすために、パッションが最も大切であるという考え方は、全ての登壇者が口にせずともベースとして同じようにお持ちでした。

まずは、労を厭わず、躊躇せずに行動をし、様々な経験をすることでパッションを見つける。それが、最も最初に意識すべきである。

見つけたパッションがどんなに曖昧であって、自信がなく、人からバカにされるかもしれないものであっても、自分自身がワクワクする、したい、というその感覚を大事にする。

そこに対して、フォーカスの仕方は人それぞれですが、「感じた課題に対して一番本質的な解決に繋がること」「一番難しくやっている人がいないこと」という2つが特に印象に残りました。

▽HASUNA 白木夏子氏

“学生時代は絞らずに、ありとあらゆることを吸収できる絶好の機会。たくさんの人の話を聞き、色々な場所を聞き、刺激を受けて、たくさん考えるとよい”

Session 2 社会課題を解決する起業家になる ::ICC/AIESEC ソーシャル・イノベーション・カンファレンス #ICC_AIESEC2016 | LivePad (β)

▽LITALICO 長谷川敦弥氏

“曖昧な志を大事にしてほしい”
“まだまだ不明確なことが多い”
“曖昧だけど、ワクワクする、これがしたい、は真実”

Session 5 教育を変え、社会を変える ::ICC/AIESEC ソーシャル・イノベーション・カンファレンス #ICC_AIESEC2016 | LivePad (β)

▽和える 矢島里佳氏

“やりたいことがいっぱいあったが、どれからやるのが一番本質的な解決に繋がるか、を考えた”

Session 2 社会課題を解決する起業家になる ::ICC/AIESEC ソーシャル・イノベーション・カンファレンス #ICC_AIESEC2016 | LivePad (β)

▽リディラバ/Ridilover 安部敏樹氏

“できる範囲から考えると小さくなる”
“一番難しいことを考えたほうが、競合もいないし、それが優位性になる”

Session 4 小さな一歩が社会を変える ::ICC/AIESEC ソーシャル・イノベーション・カンファレンス #ICC_AIESEC2016 | LivePad (β)

パッションを大きく描く

パッションを全て実現することは不可能です。どんなに現実的なことを思い描いても、100%に到達することはできないのです。

であれば、なおさら、小さなパッションを描くよりも、より大きなパッションを描いた方が、未達だったとしてもよりよい世界に近づけている可能性が高まるのだと思います。

そして、思い描かなければ、叶う可能性はそもそもゼロなわけです。「思考は現実をつくる」のです。誰かに笑われようが、バカにされようがとてつもなく大きなパッションを描くべきなのです。

▽HASUNA 白木夏子氏

“思考は現実をつくる”
“考えていること、思い描いている世界が、1年後、5年後、10年後をつくる”
“できるだけ大きな野望を描き、楽しい未来を描いてほしい”

Session 2 社会課題を解決する起業家になる ::ICC/AIESEC ソーシャル・イノベーション・カンファレンス #ICC_AIESEC2016 | LivePad (β)

パッションは自分勝手でよく、自己満足でなく

やりたくないことをやって、楽しくなく仕事をして、それで本当に上手くいくでしょうか?

人はやりたいことであれば、モチベーションは高く、スキルアップのための努力は厭わず、どんなに高い壁も壁と思わずに乗り越えられる。だからこそ、イノベーションのためのパッションは、自分がやりたいと思うことを突き詰めるべきなのです。

そして、もちろんそれだけではダメで、自己満足ではなく、そのパッションの先にある社会や人に対して、どうインパクトを与え、どう喜びを提供するべきかをしっかり考えなければなりません。

▽ライフスタイルアクセント 山田敏夫氏

“なぜやりたいのかは変わらない。道は色々あるし、どんどん変わる”
“仕事が「私事」になる方がよい”

Session 2 社会課題を解決する起業家になる ::ICC/AIESEC ソーシャル・イノベーション・カンファレンス #ICC_AIESEC2016 | LivePad (β)

▽和える 矢島里佳氏

“「自分に素直に生きる」”
“やりたくないことをやって、うまくいった試しがない”
“本当にやりたいことかどうか自分と対話をする”

“「三方良し」”
“やり続けられると思ったら、相手や社会に悲しむ人がいないビジネスの仕組みが作れるかどうかを考える”

Session 2 社会課題を解決する起業家になる ::ICC/AIESEC ソーシャル・イノベーション・カンファレンス #ICC_AIESEC2016 | LivePad (β)

▽リディラバ/Ridilover 安部敏樹氏

“やったことが自己満足になってはいけない”
“それで社会にどうインパクトを与えられるのかをしっかり考えてほしい”

Session 4 小さな一歩が社会を変える ::ICC/AIESEC ソーシャル・イノベーション・カンファレンス #ICC_AIESEC2016 | LivePad (β)

パッションを発信し、共感させる

パッションとは自分だけで思い描いてもダメで、しっかり周りに発信していくことが大切です。

自分の言ったことを言語化し、言い続けることで、イメージを増幅し、自己暗示にかける。

共感させることで、それを実現する力を自分自身が持っていなかったとしても、仲間や出資者を増やすことが力につながる。

そして、発信することで自分の立場を固め、有言実行よろしく言ったからこそやらなければならない環境が作り出されるのです。

どのような形でも、些細な形でも発信し、発信し続けることが大切なわけです。

▽ライフスタイルアクセント 山田敏夫氏

“サイバーエージェントの藤田さんに「はじめた人がアイコンになるから、もっと前に出て、発言して、自分をPRしろ」といわれた”
“もっともっと表に出ていくのはひとつの手”

Session 2 社会課題を解決する起業家になる ::ICC/AIESEC ソーシャル・イノベーション・カンファレンス #ICC_AIESEC2016 | LivePad (β)

▽和える 矢島里佳氏

“(ビジネスアイデアは)周りの人に話していく”
“自分のやりたいことが言語化される”
“アドバイスもしてもらえる”
“言ったからこそやらなければならない、となる”

Session 2 社会課題を解決する起業家になる ::ICC/AIESEC ソーシャル・イノベーション・カンファレンス #ICC_AIESEC2016 | LivePad (β)

▽ICCパートナーズ 小林雅氏

“成功している人はとにかく理念を言い続けている”
“人の言葉ではなく自分の言葉を、念仏のように唱えている”

“あとは一貫性。同じ理念をずっと言い続けている”

Session 4 小さな一歩が社会を変える ::ICC/AIESEC ソーシャル・イノベーション・カンファレンス #ICC_AIESEC2016 | LivePad (β)

▽ユーグレナ 永田暁彦氏

“自分の言ってることが正しいなら、公に発信することが大切。それによって、仲間や出資してくれる人が増える”
“共感させる力があれば、自分自身に力がなくても世の中は変えられる”
“百万人に理解されるのも大切だが、最初の1人に理解されることが大切”

“環境は人を変える。(出雲氏は)世の中に世界を変えるといったことで、周りからそういう目で見られることで、自分がより世界を変えられると思うような、正のスパイラルがまわっている”
“発信して、イメージが増幅して、自身を形成している”

“変化を許容することも大事だが、自分の夢を語ることで、自分の立場を固めることも大切”

“巻き込むチカラと見栄を張るチカラ”
“みんな未来に夢を見たい。それを断定的に繰り返す”
Session 1 ソーシャル・イノベーション実現に向けて ::ICC/AIESEC ソーシャル・イノベーション・カンファレンス #ICC_AIESEC2016 | LivePad (β)

パッションだけでなく、力も大切

そして、パッションを実現するための力をいかにして得るかを考えます。

世の中を変えるんだという熱いパッションも力を持たなければ、ただの妄想でしかありません。

実現するための力をいかにつけるかをしっかり考える必要があります。

その第一歩は「仲間」なのでしょう。

▽ユーグレナ 永田暁彦氏

“社会的イノベーションを起こすためには「パッション×力」”

“世界を変えようとすると、ファイナンス、営業、マーケティング、研究開発など、付随する能力が必要”
“一人ひとりではできない。仲間と実現するしかない。”

“本当にやりたいことを実現する
・年間数十億の研究予算を生み出す力
・誰かにお願いせずに事業を続けられる力
・対等な関係で連携を実施する力”

“ビジョンも世の中を変えるという想いも大切だが、力をつけないとただ想っているだけになってしまう”

Session 1 ソーシャル・イノベーション実現に向けて ::ICC/AIESEC ソーシャル・イノベーション・カンファレンス #ICC_AIESEC2016 | LivePad (β)

ビジネスクリエイター、インキュベーター、アクセラレーター、コンサルタント。エンジニアとして、PHP/HTML/CSSのマークアップ言語によるWebサイトの制作、SEOエンジニアリング、アクセス解析アナリストを経験した後、IT領域の技術/潮流をベースとしたエスタブリッシュ企業向けのコンサルタントを経て、複数のIT企業にて、Web/アプリ系、O2O系、IPライツ系の新規事業立ち上げに注力。事業開発から経営企画業務まで、事業および会社立ち上げに関する業務を幅広く経験。また、シードフェーズのベンチャー複数社の立ち上げへの参画や経営戦略・組織戦略・PR戦略へのアドバイザリー、メンター、複数のアクセラレーションプログラムのメンターも手がける。