サラリーマンがイノベーションを起こすためには、様々なリスクをクリアする必要があります。それは、会社サイドが寄与すべきものであったり、チームで実行すべきものであったり、個人のマインドによるものであったり。
今回は、チームのマインドの中でも、特にサラリーマンが勘違いしてしまうポイントについて書いてみます。それは、「上司の許可を得なければ、仕事は進めるべきではない」という常識です。
確かに、「報連相」は重要だと社会人になると口を酸っぱく言われますし、「決裁権限」がなければ決定してはいけないということも度々言われます。上司の許可もなく仕事を進めると、大抵怒られます。それはしてはいけないことだ、と一般的には認識されていることでしょう。
しかしながら、その常識こそがイノベーションを阻害する要員にもなっているのです。
何か新しい施策をやろうとするとき、まずなにをしますか?与件である目的を整理し、そのために達成すべきKPIを決め、それを達成するための仮設を検討し、必要な施策を洗い出し、そのPros/Consを整理して、相見積もりをとり、上司に確認をとる。そこでOKが出たら実行する。
ここまでにどれだけの時間を要していますか?1週間ならまだましです。相見積もりまでとるとなると、これだけで数ヶ月要することもあります。
ここで言いたいのは、「上司を説得するコストより、怒られるコストのが圧倒的に低い」ということです。
イノベーションには、リーンにPDCAをまわすことは必要不可欠です。比較検討をしている間に、世の中は時事刻々と変化しています。
だいたい、そもそも施策の実施検討それ自体が、仮説についての検討でしかありません。上司の判断も仮説の上でしかありません。つまりは、最終的に上司の決断が正しい保証はどこにもないのです。やってみなければわからない。
だったら、この比較検討をしている時間なんて無駄だと思いませんか?
とにかくいいと思うものは、とっととやっちゃって、実験して、ダメだったら戻せばいいし、よかったらそれから報告すればいいのです。
(※ もちろん、「とっととやっちゃう」にしても、周辺に明らかに悪影響があるものについては、当てはまりません。その場合は、それによって発生する悪影響と、それでも実施すべき良い影響の比較検討が必要になるからです。それが誰か他の人の担当領域になるようであればなおさら)