「スタッフがダメなのは、スタッフのせいではなくマネージメントのせいだ」という記事を書きましたが、これはあくまでマネージメント目線の話で、そういう意識で問題解決に取り組まなければ、ダメなものがダメなままであり、それを放置することはマネージメントの放棄と同義である、というお話でした。
逆にスタッフは、すべてマネージメントのせいにしてよいのか、というえば、もちろんそんなことはありません。スタッフが成果が出せないのは、マネージメントのせいでも、環境のせいでも、他のスタッフのせいでもなく、スタッフ自身のせいである、と考えなければならないのです。
いくつか事例をあげてみます。
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成果が出ていないのは、別のスタッフのせいだ
成果が出ないのは、チームの責任です。それは、あなたでも、別のスタッフでも、誰か一人の責任ではありません。チーム全体の責任です。ひいては、あなたにも、別のスタッフにも責任があるのです。
仮に、そのスタッフのスキルが足りないのだとしましょう。それであれば、その足りないスキルによってこぼれたタスクは、チームの中で埋めなければなりません。ポテンヒットをうんでしまったのであれば、それはそこに関わったすべてのメンバーの責任なのです。それをカバーするための最大限の努力をあなたがしてないのであれば、その責はあなたにもあるのです。
仮に、そのスタッフとコミュニケーションがうまくいってなかったのだとしましょう。そして、そのスタッフがコミュニケーション下手であった。そうであれば、それを前提としたうえで、どうスムーズにコミュニケーションをとるかを考え、実行すべきです。組織というのは人の集まりです。そして、サラリーマンであっても、スタートアップの経営者であっても、ベストな人材を集めることはほぼ不可能です。特にサラリーマンであればなおさら、そこに選択の余地はないのです。だからこそ、コミュニケーションがうまくいってないことを成果が出せない理由にしてはいけません。どんなに嫌な人であっても、そこにいるということは、なんらかのスキルを認められているのです。好き嫌いという感情を持つことをやめることはできなくても、敬意を持って接するべきなのです。「あのひとはあそこが嫌いだけど、こういうすごいところがあるよね」と。
成果が出ていないのは、マネージャーの能力不足だ
マネージャーというのは、なんらかの成果やスキルが認められてそのポジションにいるのです。あなたがそれを認めようと認めなかろうと、その組織においては、マネージャーのポジションに立っている人が優秀であるということなのです。だとしたら、まず考えなければならないのは、どういう人材がこの組織では「優秀」と認められているのか、ということを理解することです。まずそこからはじめましょう。
それでも、理解できない、ということはあると思います。人が集まったものが組織であるからこそ、互いの評価は千差万別でしょうがないのです。だとしたら、とるべき立場は、「互いに成長しあう関係性」を築く努力をすることです。
あなたが今マネージャーというポジションにいないのは、あなたがまだ成果を出していないからか、その組織において優秀と認められるポジションにないからです。それを目指して成長すればいいのです。あなたがマネージャーを認められないのは、自分自身の思い描く優秀さとかけ離れた働き方をしているからです。であれば、互いに何が足りないかを直接フィードバックしあって、切磋琢磨すればよいのです。マネージャーも人です。万能ではありません。マネージャーもマネージャーなりに発展途上なわけです。だからこそ、あなたはあなたでマネージャーを成長させ押し上げる努力をしなければなりません。
成果が出ていないのは、経営が下手なせいだ
経営層の判断がコロコロ変わる。短期的に達成不可能な目標を設定される。情報が公にされない。理解できない理由でノーと言われる。経営層に対する不満はいろいろあるでしょうが、不満を持っていない人などこの世にいません。
しかしながら、それを改善する努力をしている人、そして成果を出している人こそが、マネージャーとなり、経営層へと出世し続けているのです。ただ単に、不満を持っているだけの人は、優秀とはみなされません。
あなたが持っている不満は、あなたがどの立場であっても、すべからく解決可能なものです。判断がコロコロ変わるということは、あなたが経営層の判断基準を理解できていないだけです。目標を短期的に達成不可能と感じてしまっているだけなのは、会社全体のビジネスゴールに対する理解が足りないだけです。情報が公にされていないのは、あなたが取りに行っていないだけです。理解できない理由でノーと言われたのなら、その理由を理解する努力をすべきです。
会社の経営は、なにも経営層だけで行われているわけではありません。スタッフひとりひとりの日々の行動こそが、経営の本質であるのです。自分自身も会社を経営しているという意識を持ち、どうすれば会社がよくなるかをスタッフの目線で提案し、改善のための努力をすべきです。あなたが持っている目線は、経営層は持ちあわせていません。だからこそできる提案、できる努力があるのです。
まとめ
いかなる問題であっても、解決できないものなどありません。解決できないと感じているものは、解決するための努力が足りないだけなのです。
飲み屋で愚痴をいうことは誰にでもあります。けれどそれを愚痴で終わらしてしまっては、なにも解決しません。きちんとそれに対する解決策を考え、誰もが納得するような導入理由を探し、それをしっかりと提案し、実行する。そのための努力を最大限し続けるべきなのです。