会社に不満がない人は、世の中にほとんど存在しないだろう。サラリーマンはみな、居酒屋で会社の愚痴を言うもんだ。
しかし、ただ愚痴を言うだけでなく、建設的に、会社を本当に変えようと思っている人は、2割しかいない。
そして、本当に会社を変えられるのは、その中の2割の人だけだ。
数字はあくまで感覚値。しかし、本当に会社を変えられるのが、2割×2割で4%と考えるなら、そんなもんだろうとも思う。
その4%に入るのは、どういう人だろうか。
Contents
声高々に改革を叫んだとしても、それは実現し得ない
力強く高らかに改革の必要性を謳い、周りを鼓舞し、時には暴力的に革命を推し進めた、フィデル・カストロやチェ・ゲバラのような人材だろうか。
会社組織の中では、そういう人材は、否、だとおもう。
「踊る大捜査線」に例えるなら、まさに、織田裕二演じる青島俊作ではなく、柳葉敏郎演じる室井慎次のような存在だ。
「組織」というものは、得てして「既得権益」が生まれやすい。良きにせよ、悪しきにせよ、組織には必ずつきまとう。
そこにメスを入れようとしたとき、「既得権益」側はそれを守ろうとする。改革しようとしている側からは「正義」であっても、既得権益側から見れば、それは「悪」なわけだから、それは当然のことだ。
その既得権益側が、マネージメントレイヤーであり、権力があればあるほど、力でおさえこまれるだろう。
組織の「ガン」に対して、声高々に改革を叫んだとしても、そして、それがどんなに正しいことだったとしても、青島俊作のようであっては、組織を変える前に、潰されてしまう。
会社を変えられるのは、静かな革命家だけだ
室井慎次のような存在こそが、本当に会社に変革を起こせるのだとおもう。
既得権益側に従い、成果を出し、認められてこそ初めて、「変革」に対する意見が出せるようになる。
その「変革」が、既得権益を犯すものだとしても、「認められている」からこそ、初めて意見を聞いてもらえるようになる。ハナから潰されることがなくなるわけだ。
もちろん、「既得権益を犯す」のだから、最初からすべてを受けいられるものではないだろう。だが、それでも少しづつは変えられるかもしれない。
また、「認められる」を繰り返し、権力をつけ、ヒエラルキーを駆け上がったときに初めて、大ナタを振るうことができる。
そのときに、邪魔をすることができるモノは、もう誰もいなくなっているからだ。
「変革」を起こすのは、「変革」を起こすことを「声高々に叫ぶ」ことで実現するのではなく、実現できる「力」をつけることがもっとも最短距離であり、そのために「静かな革命家」として、成果を着実に残すことが大切だ。