たまには煽ったタイトルつけてみた。
スマートフォンでのUXにおけるコミュニティサービスのありかたを最近考える機会が増えている。
ターゲット、マーケットによって、そこにおけるUXはまったく異なるものだ。しかしながら、「スマートフォン」というデバイスでのUXを加味するなら、たったひとつだけ、欠かせない要素がある。
それは「即レス性」だ。
Contents
メッセージアプリが醸成した「即レス性」という文化
「即レス性」とは、言わずもがな、書き込んだ内容に対して、誰かがすぐにレスを返してくれるかどうか、ということ。
この即レス性は、LINEを中心としたメッセージアプリが醸成した。
フューチャーフォンのメールの頃から、PCメールに比べて、即レスを期待する度合いは高かったようにおもう。
スマートフォンのメッセージアプリでは、さらにそれが高まった。「既読スルー」という言葉ができたように、即レスがくることが当たり前のように考えられる文化が醸成された。
スマートフォンというデバイスでは、それはベースとして考えなければいけない、UXであるようになった。と、言っても過言ではないだろう。
即レスというUXを体現したサービス事例
nanapi「アンサー」
即レス性のコミュニティサービスの代表格はやはり「アンサー」だ。
どんな内容の書き込みでも、すぐにレスがつく。「即レス」が文化として定着している。
それ以上に「即レス性」というUXを意識しているのは、書き込みをした直後に「アンサーくん」というbotが、いったんレスをいれることだ。
これが影響したかどうかは定かではないが、「即レス」という行為そのものがぱっと目にはいりイメージが湧く。UXを意識したサービス設計には、イメージが湧く、というのは大切な要素だ。
DeNA「flat」
これに近しいコミュニティサービスでいえば、「flat」だろう。
アーリーアダプターが、まさにITリテラシーの高い業界人であり、かつ、コミュニティの内容的に、日々チェックするようなUXのサービスとなっているため、即レスが実現できている。
cocone「ポケコロ」
こちらはちょっと趣向が変わるが、小中高生に人気のアバターサービス「ポケコロ」。
アバターサービスであるから、もちろんコミュニティもセットになっている。
機能でいうと、掲示板はもちろんそうなのだが、とくに即レス性がうれしいのが「なぐさめの星」という機能だ。
ちょっとしたひとりごとを、紙にかいて瓶にいれて流す、というモチーフもかわいいが、ここがまさに即レスの嵐となっている。
友達が少なく、つながりがなかったとしても、ポケコロコミュニティのなかにいる、ということを実感することができる。
miil「miil」
コミュニティサービスではないが、食事の写真のライフログサービス「miil」も即レス性にすぐれている。
元来、ライフログが主体のサービスは、コミュニティとしてみるにしても、友人同士やフォロー関係にある人とつながるようなクローズドなものになりがちだ。
しかしながら、miilではつながりがない人たちの関係性がうまく構築できている。それが「食べたい」ボタンだ。
いわゆる「いいね!」なわけだが、これが本当に素早く、しかも知らない人から大量につく。
即レス性は、承認欲求と交流欲求を同時に満たす
コミュニティサービスに即レス性があることで、スティーブン・リースの人間の16の基本的欲求である「承認欲求」と「交流欲求」を強く満たすことができる。
それにより、コミュニティへの寄与・貢献をしようというモチベーションを高めることにつながっている。
スマートフォンでのコミュニティがティッピングポイントを超えるためには、この「即レス性」は非常に重要な要素の1つである。