組織マネージメントにおいて、成功体験は転用してはならない。大切なのは寄り添うことだ

人は誰しも、自分が知っていることしか知りません
つまり、知らないことは知らないのです。

それは自明のことですし、誰に言っても否定されることのない事実だと思います。

にも関わらず、誰しもが知らないことがあることを忘れ、「知っていることが世界のすべて」と勘違いし、井の中の蛙となります

組織マネージメントにおいては、その悪癖が弊害として顕著にあらわれます。

▼ざっくりまとめると…

  • 成功体験の転用は価値観の押しつけだ
  • 組織マネージメントに必要なのは「寄り添うこと」
  • 「寄り添う」ために必要なのは「量」のコミュニケーション

組織マネージメントは成功体験の転用はしてはならない

組織マネージメントでは、まさに「無知の知」を理解しなければなりません。

なぜならば、組織マネージメントほど、成功体験がまったく転用できない領域はないからです。

人の価値観はすべて違います。同じ価値観を持つ人など、たった一人も存在しません。

つまり、どのタイミングで切り取っても組織の構成メンバーが異なる以上、同じ組織というものは存在しないのです。

なにか成功体験があって、こうすればよいという定石が仮に見つかったと思っていたとしても、それが次の瞬間の組織で同じように成功するとは限らないのです。

ここで知るべき「無知」は、「あなたと違う他人は、あなたとはすべて違う」ということです。

組織マネージメントに必要なのは「寄り添うこと」

「成功体験」を活かして組織マネージメントをするということは、あなたの価値観を振りかざす、暴力的なマネージメントとニアリーイコールです。

部下を駒として使う軍隊型組織であればそれは正しいかもしれませんが、新規事業などのような新しい価値を創造する組織には向いていません。

新価値創造において大切なのは、自分の価値観を信じることではありません。自分の思い込みを排除し、すべての可能性を考えながら仮説検証することです。

そうなると組織マネージメントにとって大切なのは、組織を管理することではなく、チームとしてメンバーをリードすることであり、それによって1×1を10にも、100にもすることなわけです。

そのために、メンバーに寄り添い、その価値観を尊重し、その前提でマネージメントすることが必要なのです。

「寄り添う」と「迎合する」ことは異なる

組織マネージメントにおいて、メンバーに「寄り添う」ことと「迎合」することはまったくもって異なります

しかし、「寄り添う」ことを「迎合」することと勘違いしている経営者は数多います。

「迎合」は絶対にしちゃいけないものです。創業者として、経営者として、譲ってはいけない価値観は絶対に譲ってはいけません。それを譲るということは、経営戦略や事業戦略など、組織のすべてから軸をなくすということになりかねないからです。

「迎合」はある一部のメンバーの価値観を優先すること。「寄り添う」とは個々人の価値観に優劣をつけずに、それぞれを尊重すること。

組織マネージメントにおいて大切なのは「寄り添う」ことです。異なる価値観の人と尊重しあい、信頼を結ぶことこそが最良の結果に繋がるのです。

「寄り添う」ために必要なのは「量」のコミュニケーション

マネージメントとメンバーの信頼関係は「量」によって築かれます。量が質を凌駕します。

異なる相手の価値観を尊重するためには、その価値観を知らなければなりません。その価値観を知るために「量」のコミュニケーションが必要なのです。

価値観とはそれぞれにおいて言語化されているものではありません。あなたの価値観はなんですか?と聞いても、パッと答えられる人は少ないでしょう。

他人の価値観を知るためには、その言動を逐次確認しながら、仮説を積み上げる以外方法はないのです。

それによって「あ、この人私のことわかってくれてる」と思われてはじめて信頼関係が築かれます。

つまり、信頼関係はコミュニケーションの「量」でしか築くことはできないのです。

まとめ

メンバーに価値観を押し付けてはいけません。成功体験は、まさに価値観のワンオブゼムです。

価値観を押し付けると一つの価値観しかない組織になります。それは心理的安全性を阻害し、新たなイノベーションはうまれない組織になります。

軍隊型の組織ではなく、一人ひとりが価値創出できるイノベーティブな組織を目指しているのであれば、なおのこと、成功体験は押し付けず、コミュニケーション量で互いの価値観を知り、それを尊重し、信頼しあいながら仕事に励むことが必要となります。