リーンスタートアップでピボットする10の方法と成功事例

スタートアップであれば、ピボットは大なり小なり必ず訪れます

リーンスタートアップ的に仮説検証を小さく繰り返せば繰り返すほど、その頻度も高くなります

しかしながら、いざピボットをしようとしたときに、何をどうすればよいかわからなくなることもあります。

それはこれまで砂漠の道を歩きながら、歩き方を学んできたのに、突然ここから雪山の尾根を歩け、といわれるようなものですから、そこで迷うのは当然です。

そのとき、歩き方をゼロから考えるよりも、先人たちの知恵を借りれば、失敗確率を下げることはできます。

もちろんそのままできるものがあるわけではありませんが、、参考にしない手はありません。

というわけで、一般的にいわれているピボットの10のパターンと、そこでの成功事例をまとめましたので、共有します。

Zoom-in pivot / ズームイン・ピボット

ズームイン・ピボットは、これまでプロダクトの一部の機能であったものを、プロダクトそのものに変える手法です。

リーンスタートアップでいうMVPの概念に近く、迅速かつ効率的に提供できるプロダクトに「フォーカス」することです。

Instagram
もともとは、現在値や写真を共有できるソーシャルチェックインアプリ「burbn」。ユーザ数の伸び悩みに直面したとき、「コアな機能をひとつだけ残せるとしたら何を残すか」を考え、調べてみると、ユーザが写真共有機能を多く利用していることがわかり、写真共有アプリへピボットしました。
Fab.com
もともとは、ゲイ向けSNS「Fabulis」。マーケットの小ささや同性愛者の権利拡大に伴うニーズの変化が起きていた。サービス内でデザイン性の高い製品を販売したところ、たった20日間で40,000ドル以上売り上げ、しかも購入者の半数近くがゲイではない人だったことからピボットしました。
YouTube
もともとは、動画を使ったデート相手のマッチングサービス「Tune In Hook Up」。デートとは全然関係のない動画をアップする人が出始め、「単なる動画共有」として使う人が増えていきそこにフォーカスしたサービスへとピボットしました。
Twitter
もともとは、ポッドキャストの検索サービス「Odeo」。iTunesが登場しその役割を果たしたため、マーケットニーズが低下。その後、その中の機能であった短文投稿SNSを切り出し、ピボットしました。
Paypal
もともとは、ハンドヘルドPC「Palm Pilot」への送金サービス。「Eメール宛に送金機能」が他のECサイトでも汎用的に利用可能だと気付き、この機能にフォーカスしてピボットしました。

Zoom-out pivot / ズームアウト・ピボット

ズームアウト・ピボットは、今のプロダクトの機能では、顧客のニーズや課題をカヴァーしきれない場合に、それをより大きなプロダクト全体の一部の機能に変える手法です。

craigslist
もともとは、ローカルイベントに特化したクラシファイドサービス。その後、モノの売買や就職情報にまで拡大するピボットを行った結果、月間200億PVを超える世界最大級のクラシファイドに成長しました。
Criteo
もともとはEC向けのレコメンドエンジン。その後、ECのターゲティングキャンペーンの実行支援サービスへピボットしました。

Customer segment pivot / 顧客セグメント・ピボット

顧客セグメント・ピボットは、ターゲットユーザを最適化するために、ペルソナを変更する手法です。

課題とソリューションに対する仮説が当初想定とは異なるペルソナで検証できた場合や、よりサービスをグロースさせるためにペルソナ像を拡大・追加したりする場合に行います。

Groupon
もともとは、社会問題に対するボランティア活動や寄付を集めるプラットフォーム「The Point」。募金を集めるための「クーポンの共同購入」の仕組みは良く回っていたため、この機能を利用し、顧客セグメントを「社会貢献活動家」から「一般消費者」へピボットしました。
Shopify
もともと、プロ向けのスノーボードをオンラインで販売。すぐにECサイトをつくるサービスが不足していることに気づき、ピボットしました。

Customer need pivot / 顧客ニーズ・ピボット

顧客ニーズ・ピボットは、プロダクトによって解決する課題が顧客にとってさほど重要でなかったり、ソリューションに対してお金を払う意思が確認できなかった場合に、顧客そのものの見直しや課題・ペイン・ニーズの再検証を行う手法です。

Yelp
もともとは、Eメールを活用したレコメンデーションシステム「Friendster Yellow Pages」。良い店舗を友達に聞くサービスだったが、その機能を利用してユーザがレビューを書いていることをみつけ、その機能をピボットしました。
Picwing
もともとは、LinuxベースのWiFiデジタル・フォトフレームの製造・販売。全く売れなかったが、祖父母に写真を簡単に共有するというコンセプトは変えずに、デジタル画像データのプリント郵送サービスへピボットしました。
airbnb
もともとは、個人の部屋のベッドを貸し、朝食を提供するサービス。ニューヨークの1人のミュージシャンが、ツアー中にアパートの自室を全て貸し出すというアイテムをAirBnBに登録したことで、スペースレンタルの可能性に気づき、それまでルールにしていた提供者が部屋にいること、朝食を提供することを廃止し、ピボットしました。

Platform pivot / プラットフォーム・ピボット

プラットフォーム・ピボットは、アプリケーションをプラットフォーム化するか、もしくはその逆を行う手法です。

多くの場合、プラットフォームそのものはソリューションにはならず、単一のアプリケーションのみがソリューションになりえます。そのため、まずキラーアプリケーションを生み出し、その周辺のビジネスをプラットフォーム化します。

また、逆にプラットフォームを志向していたが、例えばその領域で圧倒的に強い他のプラットフォームが出現してしまった場合に、自社のプラットフォームを捨て、自らを単一アプリケーションとしてそのプラットフォームへ展開することも指します。

GREE、DeNA
フィーチャーフォンでゲーム・プラットフォームとして一時代を築いたGREE、DeNAも、時代の潮流に併せてネイティブアプリへと方向性を徐々にシフトしていきました。

Business architecture pivot / ビジネスモデル・ピボット

ビジネスモデル・ピボットは、ビジネスモデルを「高利益・低ボリューム」から「低利益・高ボリューム」に変更するか、もしくはその逆を行う手法です。

多くの場合、利益とボリュームを同時に追求することはできません。

Dropbox
もともとは個人向けストレージサービスでしたが、法人向けサービスに収益化のフォーカスを移すことで「低利益・高ボリューム」から「高利益・低ボリューム」へピボットしました。

Value capture pivot / 収益モデル・ピボット

収益モデル・ピボットは、広告収益、フリーミアム、手数料など、レベニューの発生方法を変更する手法です。

Gmail
もともとは法人アカウントを対象としたフリーミアムモデルでしたが、ネイティブ広告による収益へピボット。その後、法人アカウントの収益自体も拡大しています。

Engine of growth pivot / 成長エンジン・ピボット

成長エンジン・ピボットは、その名の通り成長エンジン(スティッキー・エンジン;粘着型、バイラル・エンジン;ウイルス型、ペイド・エンジン;支出型)を変える手法です。

BuzzFeed
もともとはバイラルで成長してきたが、facebookのアルゴリズム変更に伴い成長が鈍化、トラフィックの低下が起こりましたが、その後、ペイド・エンジンに切り替えたことでトラフィックが改善しました。

Channel pivot / チャネル・ピボット

チャネル・ピボットは、販売チャネルまたは流通チャネルを変更する手法です。

TSUTAYA
店舗でのレンタルビデオビジネスを展開してきたが、次代の変化にあわせてネット通販型、映像配信事業へシフトしているのはまさにこれです。
Pandora
もともとは、レコードショップ。音楽を顧客に届けるという価値をインターネットを利用して実現する形へピボットしました。

Technology pivot / テクノロジー・ピボット

テクノロジー・ピボットは、その名の通り、全く新しい技術を使用して同じソリューションを実現する手法です。

任天堂
「常に新しい楽しさと面白さを持った商品を提供する」という目的を変えずに、カードゲームからニンテンドー64やWiiといったコンソールゲームにピボットしました。

参考