あなたの転職にオススメのスタートアップはありません。

メンタリングやセミナーでの公演、アイデアソン合宿のファシリテーターなど、ありがたいことにいろいろと機会を頂くことが増えてきました。ボクの生涯のテーマは「イノベーション」なので、そのすべての機会で「イノベーション」や「イノベーター」についてお話させていただいています。

そのなかで、たまたま人より転職回数が多く(あまり自慢できることではありませんが)、様々な企業を知っていることがあってか、キャリア相談を受けることが増えてきました。

そこでよく聞かれることがあります。

「転職をしようと考えているのですが、オススメのスタートアップはありませんか?」

これにどう答えるかすごく悩んでいました。というのも、たしかに人よりスタートアップ企業について知っているとは思うのですが、転職エージェントなわけではないので内実を詳細に把握しているということもありません。選択肢として提示できるものがそんなに多くはありません。そのなかからチョイスすることももちろんできますが、短絡的に選択肢を提示することがベストとも思えませんでした。

となると、なにがベストな答えなのか…。それを考える中で、自身のキャリアを振り返ってみると、ひとつの結論に到達することが最近できたので、まとめてみました。

オススメのスタートアップはありません

結論から暴論ですが、これは転職エージェントであっても、誰であっても、「あなた」にとって本当の意味でのオススメのスタートアップ(にかぎらず、転職先の候補となるすべての企業)を、即座に提示することはできない、と思うのです。

まず、「オススメ」とはなんなのか。こうした質問をする方にとっての「オススメ」とは「自分にとってフィットする」という意味だと解釈しました。

それに基づいて考えると、ボクがオススメだと提示できるものがあるとしたら、それはあくまで「ボクが想像したあなたの人物像、これまでのキャリア、これから歩みたいキャリア、夢や目標」と、「ボクが想像したそれにマッチする会社」を、オススメということはできると思います。

これは、「想像」でしかない、ということです。特に、前者はボクには完璧に把握することは絶対にできません。なぜならば、ボクはボクでしかなく、あなたではないから。

なので、その方との関係性が薄ければ薄いほど、ほんとうの意味での「オススメ」からは程遠くなってしまいます。

「オススメの会社」には、3つのマッチングがある

もう少し「オススメ」を紐解いてみます。

「あなたにとってのオススメ」つまり「あなたにフィット」した会社という結論を出すには、3つのマッチングが必要だと思います。

①自身のWHYと、市場のマッチング
本当に、心の底から、自身のこれまでの人生を通じて到達することができている(表層ではない)根源的にやりたいこと、情熱を感じることと、オススメの会社が事業を展開している市場が一致するかどうか。

②歩みたいキャリアパスと、会社のステージのマッチング
自身がこれから描いていきたいキャリアパスと、それを得るために今まさにやるべき仕事、業務と、それを任せてもらえて、会社や事業の成長とともに描きたいキャリアパスをステップアップしていけるステージにあるかどうか。

③あなたと、なかのひと達とのカルチャーマッチ
仕事の進め方や考え方、雰囲気など、働く上でのベースの文化があうかどうか。

この3つが揃ってはじめて、オススメの会社といえるのではないでしょうか。

すべてがマッチするオススメを提示するのは難しい

①②に関しては、お話を重ねることさえできれば、ある程度アドバイスは可能だと思います。が、③が一番難しい。これに関しては、かなり感覚的なものでもあって、言語化することができにくいのです。

ですが、この③は結構重要なポイントです。この人達と一緒に働きたいと思えるかどうか。ここがアンマッチだと、楽しくない日々を送ることになりますし、そうなると成果も出しにくく、成長もしにくくなります。

人に聞くより、実際に見ることが重要

なので、アクションとしては、普通にネット上の情報を探したり、Wantedlyを見たりして、面白そうだと感じる会社を見つけ、実際に遊びに行ったり、面接を受けたりするのがよいでしょう。人から聞いて、ではなくて、自分の目で見て、話を聞いて、感覚として合うかどうかを確認します。それをとにかく繰り返す。

転職がもう少し具体的なのであれば、信頼できるエージェントを探すというのもひとつの手です。いわゆる大手のドアを正面玄関から叩きにいくというよりは、会社に所属している方でも、個人で活動している方であっても、名が立っている人を探します。

そして、短期的に転職先を探してもらうのではなく、長期的な付き合いをする。コミュニケーションを重ねれば重ねるほど、エージェントが自身のことを理解してくれますので、マッチする案件に出会える確率が高まります。「オススメ」のスタートアップに出会うためには、そういう関係をエージェントと築くというのもひとつ大事なことです。

ボクには「オススメのスタートアップ」を紹介することが難しいという言い訳ポストでした。おしまい。