失敗を許容する文化をつくる 〜イントラプレナーの失敗学〜

複数の企業において新規事業立ち上げを行なってきたシリアルイントラプレナーが、そこで繰り返してきた失敗を主観的に、客観的に記す「イントラプレナー(社内起業、新規事業)の失敗学」。

今回は、マネージメントレイヤーの新規事業に対する意識と企業文化について。

新規事業をやるとき、その成功確率はどのくらいをイメージしているだろうか。

ごくたまに、新規事業を100%成功させよ、という指示を出したり、そういった計画を引かせる経営者がいる。新規事業を立ち上げ、売上・利益を上乗せしないとまずいような状況に、既存事業がある会社に多い。

まず、意識しなければならないのは、100%どころか、新規事業はもっと失敗する。成功確率は10%とよく言われるが、体感としてはもっと確率は低いようにおもう。

100%新規事業を成功させなければならないような状況に会社があるのだとしたら、それは新規事業をやるようなステージではない。既存事業の立て直しに注力すべきだ。

新規事業は失敗して当然、という意識を持たないといけない。

そして、マネージメントレイヤーの意識だけでなく、会社全体として新規事業は失敗するものという共通認識を、文化をつくることが必要である。

経営者が失敗を許容しない、片道切符でやれと平気で担当者に言ってしまうようでは、担当者は萎縮してしまい、大きなリスクをとりにいくようなチャレンジができない。

担当者は、事業計画を引けば引くほど、成功確率が低いことを目の当たりにする。そうなると、失敗が許容されていない文化の下では、なるべく失敗しないように、失敗してもその振れ幅が小さくなるように、と、縮こまって事業を推進することになる。

それでは、自分の人生までかけて勝負をしているようなベンチャーに勝てるわけがない。

担当者自身がそこまで自分を追い込むためには、マネージメントレイヤーがしっかりと「失敗を許容する」「失敗を恐れずにチャレンジする」「失敗の責任は自分がとる」ということを、明言し、周りに指し示す必要がある。

また、その意識は、周りにもしっかりと持たせないといけない。

社内のステークホルダーも、所詮サラリーマンだ。とすれば、失敗する可能性が高い新規事業へ、積極的にコミットする姿勢に自然になることは期待できない。

マネージメントレイヤーがその意識を醸成させるほかないのだ。

経営者が失敗することを許容できるかどうかが、担当者含め全社的なモチベーションの方向性を決めるためのひとつの鍵になる。

その際、人事制度にメスをいれる必要もあるが、それはまた別の機会に。