会社の管理ルールに縛らせるな 〜イントラプレナーの失敗学〜

複数の企業において新規事業立ち上げを行なってきたシリアルイントラプレナーが、そこで繰り返してきた失敗を主観的に、客観的に記す「イントラプレナー(社内起業、新規事業)の失敗学」。

今回は、新規事業に対する管理部門の立ち位置について。

既存事業がすでに出来上がっている会社で、新規事業を立ち上げることの弊害は、管理部門との関係性の中にもある。

大企業であればあるほど、会社のオペレーションフローは、すでに大きな規模である既存事業に最適化されて組んである。

予算策定、稟議承認、経理処理、予算管理…。大小様々なオペレーションにおいて、すべて最適化されて組まれているのだ。

例えば、新規取引先に至っては、相手の会社の規模が小さすぎたり、帝国データバンクに登録されていないとダメだったり、どベンチャーと付き合うことがそもそもできないようになっていたりする。リスクをおかす必要がない部分については、極力リスクをおかさないようなオペレーションになっているわけだ。

新規事業は、当然、既存事業とは違ったマーケットで戦おうとしているのだから、そこに最適な管理部門のオペレーションも、既存事業とのズレが大きくなればなるほど、その分だけズレる。

管理部門というのは、基本的に、全社でオペレーションを共通化し、最適化・省力化を図ることで、ミニマムなコストで最大限の効果を発揮できるように考えるのが、思考のベースにある。

となると、新規事業というのは、そこから例外的なオペレーションを生じさせることしかないため、管理部門の人間は新規事業を極度に敵視し、目の敵にするものだ。

新しいことをしようとすればするほど、既存事業で組み上げたオペレーションとは乖離が大きくなり、社内調整を行う時間が大きくなっていく。

新規事業サイドからすれば、本来の事業運営とは無関係なところで、無駄に時間がとられていく。

管理サイドからすれば、例外処理のためにオペレーションを新たに構築することのが無駄だが、例外処理は例外処理で時間がとられるため、調整をどれだけしたところで、基本的に新規事業などやっかいなしろものでしかない状況からは脱却しない。

新規事業をつくる、というときに、ほとんど軽視されがちな管理部門だが、新しいビジネスモデルで新しい価値を提供しようとしているとき、そこに管理部門も一体であることを理解すべきだ。そして、そもそも新規事業部門はオペレーションも分離独立させて、その事業の特性にあった管理の仕方をすべきだ。