スタッフが熱い思いをもったアイデアにこそ投資しろ 〜イントラプレナーの失敗学〜

複数の企業において新規事業立ち上げを行なってきたシリアルイントラプレナーが、そこで繰り返してきた失敗を主観的に、客観的に記す「イントラプレナー(社内起業、新規事業)の失敗学」。

今回は、マネージメントレイヤーによる投資判断の判断基準について。

新規事業に投資するとき、何を基準に判断しているだろうか。

3カ年の中期計画とその実現性?
ビジネスアイデアの尖り具合?
提案してきた人材のこれまでの実績?

1つ、投資判断の軸として、「熱い思い」があるかどうか、を加えることをオススメする。

本当にマーケットが求めているモノは、自分事で考えないと作れない

「熱い思い」とは、具体的には、世の中にある課題を自分事として捉え、その課題を真剣に解決したいと思っている状態を指している。

その課題は、自分自身に起きたことでなくても、家族に起きたことでも、友達に起きたことでもいい。

自分事として捉える、といっているのは、ペルソナが具体的にイメージされ、それを自分に起きたことのように考えられるか、ということである。

ただ単にマーケットの市場規模などからコンサル思考で導き出したものは、マーケットにいるユーザの課題を真に解決できないことが多い。

大量生産大量消費の時代はそれでもよかった。メーカが作ったものを、これがあなたの課題を解決しますと、大量の広告費を投下して浸透させれば、右向け右でユーザは購買に動いた。

時代は移り変わり、今は、人々における課題が細分化されてきている。右向け右で、全員が右を向く時代ではないのだ。

だからこそ、上から目線ではなく、その課題に「自分事」として向き合える人でなければ、真に解決するソリューションを生み出すことは難しいのだ。

「熱い思い」がないと、あらゆる壁を乗り越えられない

社内起業は、サラリーマンとしての壁が強く立ちはだかる。サラリーマン思考の強い人間にとっては、それはとても大きいもので、リスクが非常に大きいものだ。

しかし、成し遂げたい思いがあるのであれば、そんな困難など、自ら起業をするというリスクテークと比較すれば、なんてことはないものなのだ。

むしろ、「会社を利用してでも、この思いあるプランを実現する。そのために、ここは利用価値の高い会社だ」というぐらいの、ある種の腹黒い気概をもったやつでないと、その壁は乗り越えられないだろう。

また、逆をいえば、いま既存事業でしっかり成り立っている企業には、必ずコアアセットがある。それを自ら見つけ出して、自分の環境を最大限活かすという思考を持てる人材こそ、イノベーションを起こすにふさわしい。

スタッフ側も熱い思いをもった事業にこそ取り組むべきだ

ベンチャー起業も、社内起業も変わらず、大切なのは、なんとしても事業を成功させて、世の中の課題を解決するのだ、という強い思いである。

それさえあれば、社内起業の壁なんて、本当に大したことはない。

いや、ぶつかったときは、すごく大きい壁に感じるのは確かだ。

サラリーマン思考が強ければ強いほど、その壁に立ち向かうことそのものが、自分のサラリーマン人生にとってリスクに感じてしまう。だから、大きく感じるのだ。

スタッフとしてのあなたがやりたいことは、サラリーマンとして、この先何年続くかわからない会社のなかの立場を守ることなのか。それとも、事業を成功させることなのか。

それはよくよく考えたほうがいい。