「仕事の範囲」は決めるべきではない

あなたは、仕事の範囲を自分で決めていないだろうか?

サラリーマンとして企業のなかで働いていると、特に規模が大きければ大きいほど、よく耳にする言葉がある。

「それは私の仕事じゃない」

いわゆる「雇われ発想」というやつである。

なぜその発言が出てくるのかというと、それは「もらっている給料」は、「仕事の範囲」によって決まっている、と考えていることがベースになっている。

つまり、自分の給与も、仕事の範囲も、すべて上の人間が決める。そういった、ヒエラルキー思想に凝り固まっているのだ。

当然、当たられた業務をこなす、歯車的な側面が、ヒエラルキー組織にあるのは理解出来る。

そうやって、ひとつひとつのタスクが大きな仕事としての全体像につながっているのだから、それをしっかりと正確にこなすことは、大切だ。

しかし、「それは私の仕事じゃない」という発言をしてしまう人は、結局、「給料分の仕事をしているのだからいいじゃないか。それ以外は知ったこっちゃない」という考えにつながる。

成長のためには「仕事の範囲」は決めるべきではない

成長する人、伸びる人材は、仕事の範囲を決めることがない。

当然、ヒエラルキーにあるのであれば、仕事の範囲はポジションによって決まっている。

前述した「それは私の仕事じゃない」人も、私の仕事の範囲は一生懸命頑張るし、それなりのクオリティを出すだろう。成長する人と、そこは変わらない。

成長する人は、なにが違うかというと、与えられた「仕事」に対して、それに付随して発生する様々な関連したタスクも、厭わず対応する。

それが自分のテリトリーになくとも、対応することに拒否感がない。そして、ただ対応するのではなく、そこに対して、当事者意識や問題意識を持った上で、解決に挑む。

つまり、仕事の全体像を俯瞰して、自らのタスクをこなすのだ。

ここが「それは私の仕事じゃない」人と大きく違う。

結果として、それが成長につながり、評価につながる

日々の業務の成果に対して、評価されることで、給与・賞与といった待遇があがったり、ポジションがあがったりする。

「それは私の仕事じゃない」人ももちろん、一定程度価値を提供するから、それなりにあがっていくだろう。

しかしながら、「成長」の幅が広くないため、どこかで止まってしまう。

そのとき、この人たちは、自分の「成長」の幅は見えていないため、自分のテリトリーで成果をあげていることをことさらに強調する。

そして、立場や待遇をあげることに執着し、粘着するようになっていく。

成長する人は、そこを意識せずとも、立場や待遇があがっていくのだ。

なぜならば、全体像をみながら仕事をしているから、自然と、成長の幅が広がっていく。成長の幅が広がるということは、より広い範囲の仕事をしているということだ。

当然、経営レイヤーに近づけば近づくほど、仕事の範囲は広がる。

そこに登用される人は、自分のテリトリーに固執し、「それは私の仕事じゃない」人ではない。その範囲で活躍ができると、信頼される人、つまり、ちゃんと成長する人である。

良い仕事をして、成長し、より良い待遇や立場を得る。成長の幅を自ら狭めず、自ら広げて、信頼される仕事をする。

「仕事をする」ということ自体が、本来そういうものなのだ。

Featured Image: design scope / ajturner