スタートアップのチームビルディングは、ビジョン駆動型であるべきだ

あなたのチームは、なにによって突き動かされて、その事業をやっているだろうか。また、それはいまのチームメンバーと合意できているだろうか。

創業チームはいずれ瓦解する。FounderとCo-Founderは残るだろうが、初期メンバーの大多数はいずれチームを離れていく。シードフェーズに必死の思いで作ったチームは、その規模が拡大すればするだけ、瓦解へと近づいていく。

会社の成長は、初期フェーズで作ったチームの死への行進に等しい。

チームの瓦解を最小限に食い止め、事業を継続させ突き進むための動力として一番大切なものは「ビジョン」である、とボクは考えている。

最初にチームを組成したとき、その根底にはどんな思いやゴールを共有しているだろうか。

「金」が目的ならチームは早々に瓦解する

上場や売却といった「金」を得ることをゴールとしたとしよう。すると、チームは早々に瓦解するだろう。

金をどういった手段で得るか、が一番揉める要因だ。

早急なEXITを求めて、無理な事業展開を推し進める。その無理なベクトルも、チームメンバーによって微妙にズレていく。

ズレればズレるほど、いまなにをすべきかの合意をとるのが難しくなる。そして心が離れていく。

売上が立った瞬間に瓦解がはじまる。

「仲の良さ」だけのチームなら、難題にぶつかったときに瓦解する

「仲の良さ」だけで事業をはじめたとしよう。すると、チームは難題にぶつかったときに瓦解するだろう。

CEOという職は、会社を経営する、ことがロールだ。経営においては、ときにはドライな選択をとらなければならない。

仲の良い友達の意見を、間違っていると一刀両断できるだろうか。仲の良い友達に、チームを離れてくれと伝えられるだろうか。

人と人の間にある思いは、強ければ強いほど、裏切られたと感じた瞬間に強い敵意へと変化する。根底に共有している価値観が薄ければ薄いほど、それは人格否定に感じられやすくなる。

そう、自分と違う意見をぶつけられたときに、その前提が「裏切り」のように感じてしまいやすい状況がつくられてしまう。

「ビジョン」の共有ができていればこそ、チームは強くなる

ビジョンとは、将来どうありたいか、という価値観だ。

自分たちがどうありたいか、それによって世の中にどういった価値を提供していたいか。

その根底をベースに議論をすれば、そこには他の要素が挟まる余地がなくなる。

EXITや資金調達は、ビジョンを実現するための手段としての必要可否を議論すればよい。

個々人の欲ではなく、法人としての将来の姿のために、という根底に立ち返った議論ができれば合意がしやすくなる。

仲が良い友達同士のチームであっても、意見を切り捨てることが人格否定ではない議論ができるようになる。

どんな難題にぶつかっても、意見の相違にぶつかっても、常に根底の「ビジョン」に立ち返って、それに沿っているかどうかという、共通の価値観での判断ができるようになる。

いずれチームは瓦解する。だからこそ「ビジョン」が必要だ

とはいえ、いずれチームは瓦解する。ビジョンは不変ではないからだ。

会社のフェーズに応じて、成長のベクトルに応じて、ビジョンは変化していく。

人の考えは千差万別だ。少しの変化も、受け入れがたければ、心が離れていく人は必ずでてくる。

初期フェーズではキーパーソンだった人物のスキルも、変化を遂げたチームにはアンマッチになるタイミングがいずれ訪れる。

チームは瓦解していくものだ。

そのとき強くなれるのも「ビジョン」があればこそだ。小さな瓦解は、より一層チームの結束を強められるいいきっかけになる。

常日頃から強くビジョンを意識し、チームで共有し、それの実現のための方法・手段を議論しながら、邁進していくべきだ。