Writing Process
書くということ
問いは、日常の中で生まれる。何気ない違和感、ふとした矛盾、誰かの言葉への引っかかり——そうした小さな種が、エッセイの出発点になる。
テーマを決めてから書くのではない。問いと向き合い、考え続ける中で、書くべきことが見えてくる。数日で形になるものもあれば、何週間も頭の中で転がし続けるものもある。
草稿は何度も書き直す。最初の直感を大切にしながらも、言葉が思考を正確に映しているかを確かめる。飾りたい衝動を抑え、余計なものを削ぎ落とす。言い切れることだけを、言い切る。
事実と解釈は区別する。個人的な考えは、そうだと分かる形で書く。引用する思想家や書籍には敬意を払い、原典に当たる。ただし、学術論文のような形式は取らない——思索の流れの中に自然に織り込む。
答えが出ない問いもある。そのとき、無理に結論を出さない。問いを問いのまま残すことも、言葉にする行為の一部だと思っている。