みんなにとっていいは、みんなにとって悪い

ざっくりまとめると。。。
  • イノベーションはディスカッションからうまれない
  • ディスカッションは合意形成であり折衷案になる
  • イノベーションに必要なのは、誰かの独りよがりの「ビジョン」だ

イノベーションは、ディスカッションからはうまれません。

ブレインストーミングなどと称し、意見を出すためにディスカッションをすることは比較的多いものです。しかし、ディスカッションから本当にいいアイデアなどうまれません。

ディスカッションというのは、少なからず合意形成をするものであって、最終的な意見は、多数決や折衷案、同調圧力などによって決まります

チームにとって合意形成が必要な場面ももちろんありますし、ディスカッションによってチームメンバーの参加意識を高めることも重要です。

しかし、イノベーションにおいて、そのタネを見つけ育てる0→1フェーズ、タネのスケール可能性を探る1→10フェーズにおいては、必ずしも合意形成が有効に働くとは限りません。

なぜなら、「みんなにとっていい」を目指すことは、結果として「みんなにとって悪い」にしかならないからです。

合意形成のおける「みんなにとっていい」は、みんなそれぞれにとっての妥協の産物で、bestではなくbetterの下の方、下手したらworseで合意しているのです。

それは合意形成としては正しい結果かもしれませんが、イノベーションにとってはworstな結果です。

イノベーションに必要なのは「ビジョン」です。

ビジョンとは誰かの圧倒的に個人的な独りよがりの価値観です。それは他方から見たら批判されうるものかもしれません。クレイジーといわれても、そのビジョンになった世界は、今よりもより良くなるものと信じて突き進んだ結果にあるのがイノベーションなのです。

イノベーションを生むためにやるべきことはディスカションではなく、自分の心と向き合うことと顧客と向き合うこと。ただそれだけなのです。

Discussions | DrupalCon Amsterdam, 01.10.2014 | Boris Baldinger | Flickr

ビジネスクリエイター、インキュベーター、アクセラレーター、コンサルタント。エンジニアとして、PHP/HTML/CSSのマークアップ言語によるWebサイトの制作、SEOエンジニアリング、アクセス解析アナリストを経験した後、IT領域の技術/潮流をベースとしたエスタブリッシュ企業向けのコンサルタントを経て、複数のIT企業にて、Web/アプリ系、O2O系、IPライツ系の新規事業立ち上げに注力。事業開発から経営企画業務まで、事業および会社立ち上げに関する業務を幅広く経験。また、シードフェーズのベンチャー複数社の立ち上げへの参画や経営戦略・組織戦略・PR戦略へのアドバイザリー、メンター、複数のアクセラレーションプログラムのメンターも手がける。