グリー子会社の決算状況 〜決算公告からみる未上場企業

ソーシャルゲーム市場、そして一時代を築き上げたグリー。

最近は、なかなか厳しい状況が続いているが、子会社はどうだろうか。

子会社の株式会社WrightFlyerStudios、株式会社ポケラボ、株式会社Epic Voyage、スマートシッター株式会社、株式会社セカイエ、グリービジネスオペレーションズ株式会社の決算公告が10月に掲載された。

貸借対照表をビジュアライズして、現況を探ってみた。

(通常の貸借対照表のグラフとは異なり、それぞれの項目の状況をわかりやすくするため、滝チャートっぽくしている)

決算公告、貸借対照表

ゲーム系子会社

株式会社WrightFlyerStudios

株式会社WrightFlyerStudios 第2期 決算公告(平成27年6月30日現在)
株式会社WrightFlyerStudios 第2期 貸借対照表(平成27年6月30日現在)

第2期の株式会社WrightFlyerStudios。グリーのネイティブゲームのサブブランド。

今期純利益が1,656千円と黒字。自己資本比率が1.0%、流動比率が101.0%となっている。

ブランド用のペーパーカンパニーの要素が強いのだろう、ここからでは現況は何も読み取ることはできない。

株式会社ポケラボ

株式会社ポケラボ 第8期 決算公告(平成27年6月30日現在)
株式会社ポケラボ 第8期 貸借対照表(平成27年6月30日現在)

第8期の株式会社ポケラボ。2007年設立で、2012年10月24日に138億8600万円でグリーが全株式を取得。

ネイティブゲームのノウハウが高く、グリーの買収はそのノウハウの獲得が目的ともいわれている。

今期売上が20.5億円に対し、純利益が-11.5億円と大幅な赤字を計上。

自己資本比率が63.7%と若干の負債は抱えているが、流動比率は235.6%と高い水準にあり、現時点では大きく問題のある財務状況ではない。

しかしながら、推移でみてみると、

株式会社ポケラボ 第8期 財務状況推移(平成27年6月30日現在)

第6期をピークに売上は激減しており、今期は約3分の1まで低下。また、前期立て直したかに見えた営業利益も今期に大幅な赤字を計上してしまっていることがわかる。

このまま来期も第8期と同じような数字もしくはそれを下回る数字で推移してしまっては、債務超過に陥り、経営が立ち行かなくなる恐れが出てきている。来期が踏ん張りどころになりそうだ。

株式会社Epic Voyage

株式会社Epic Voyage 第1期 決算公告(平成27年6月30日現在)
株式会社Epic Voyage 第1期 貸借対照表(平成27年6月30日現在)

第1期の株式会社Epic Voyage。LINE株式会社とのの合弁会社で、LINE向けに提供するゲームの開発・運営を行っている。第1弾タイトルは、ダンジョンRPG『LINE タワーライジング』で、6月にリリースされた。

今期純利益が-766千円と赤字。自己資本比率が98.6%、流動比率が7042.9%となっている。

第1弾タイトルはそれほど大きな売上を上げるほどにまで成長できなかったか。それでも、1年目としては悲観視するほどの状況ではなく、今後プロモーション等を踏み込み伸ばしていくか、次回作にヒットを狙うか。

何れにしても、来期の動きに期待したい。

新規事業子会社

スマートシッター株式会社

スマートシッター株式会社 第1期 決算公告(平成27年6月30日現在)
スマートシッター株式会社 第1期 貸借対照表(平成27年6月30日現在)

第1期のスマートシッター株式会社。ベビーシッターの派遣事業を展開している。

今期純利益が-1.02億円と、創業1年目としては大きな赤字額を計上。

自己資本比率が65.4%と若干の負債は抱えているが、流動比率は279.7%と高い水準にもある。財務状況としては問題ない。

しかしながら、初年度で資本金、資本剰余金を使い切るほどのコスト投下をしていることは、スタートアップとしてみると非常に大きな問題だ。

来期に同額を使えるとは思えず、今期に十分にスケールしていなければ、継続的なスケールを望める状況にはないと思うのだが、大丈夫だろうか…。(もしくは、グリーが来期に同額使えるほどの貸付や追加投資を行うのだろうか)

株式会社セカイエ

株式会社セカイエ 第3期 決算公告(平成27年6月30日現在)
株式会社セカイエ 第3期 貸借対照表(平成27年6月30日現在)

第3期の株式会社セカイエ。2012年設立で、2014年12月24日に13億万円でグリーが全株式を取得。リフォームに関するコンシェルジュ、アフィリエイト事業およびメディア事業を展開している。

今期純利益が-2.64億円と、大幅赤字を計上。1〜2期の合計額と同程度の赤字となり、累積赤字が膨らんでいる。

自己資本比率が41.5%と、今期大きく低下。しかしながら、流動比率は158.1%と高い水準にはある。

現状では問題ない財務状況だが、赤字の推移が少し気になるところ。今期の投資が来期に繋がるものになっていれば、来期、再来期以降にぐっと伸びてくるだろうが、このまま赤字の拡大が進んでしまっては危うくなる。こちらも来期が踏ん張りどころか。

特例子会社

グリービジネスオペレーションズ株式会社

株式会社グリービジネスオペレーションズ 第4期 決算公告(平成27年6月30日現在)
株式会社グリービジネスオペレーションズ 第4期 貸借対照表(平成27年6月30日現在)

第4期の株式会社グリービジネスオペレーションズ。障がい者のための特例子会社として、オフィスサービス事業を展開している。

今期純利益が19,164千円と一定程度の成果を残しており、また、利益剰余金が46百万と累積黒字にもなっている。

自己資本比率が91.5%と若干の負債はありつつも、流動比率は850.5%と驚異的な数字。

特例子会社にもかかわらず、今後も順調な成長が見込め、本稿にて紹介したグリー子会社の中では最優良児といえるだろう。